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1999/writer/music and film/ご依頼等はDMにて
ジャンルとして生誕50周年を迎えたのみならず、コロナ禍を乗り越えて様々なイベントが充実したことで、シーン自体の盛り上がりやファンの多様性がより可視化された2023年のヒップホップ。そんな1年の年間ベストヒップホップアルバムについて、『Lit!』担当の市川タツキが選出する。
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新年早々これを見れたことがまず嬉しい。なによりも自分自身の評価軸を再確認できたから。複数の知人友人から微妙な話を聞かされながら(どれも私には合わなそうというものではあったが)、ポイントで鑑賞したこの映画だが、なんならストレートに金を払ってでも見に行くべきであった。何故なら、これが慄くべき消費者目線映画であるから。ブルーワーカーの労働を描きながら、ここまで資本主義を歓迎する映画は珍しい。いっそ...
ケンドリック・ラマーのニューアルバム『Mr. Morale & The Big Steppers』が複雑な作品であることは明らかだが、果たして彼が複雑でなかったことが今まであっただろうか。 コンプトンの詩人ラマーは常に複雑な作品を作りながら、物事の“複雑さ”について歌っていたとも言える。そ…
1995年、コンプトンで1人の少年が、父親とともに“歴史”を目撃していた。 当時、少年の目の前で撮影されていたのは、2パックのアルバム『All Eyez On Me』収録の先行シングル曲「California Love」のMVだ。長く、西海岸のアンセムとして愛されることになるこの曲のMV撮影には、…
カニエ・ウェスト『Donda』は大作である。それは間違いない。全27曲ランタイム1時間48分に及ぶこの作品を、21世紀を代表する音楽家の1人であるカニエは、幾度のリリース延期と、3回に及ぶリスニングパーティーを経て、2021年8月29日、遂にリリースした。 言わずもがな、このタイトル『D…
我々がここ数年で失ったものは何か。ドレイクが不意打ち的に投下したニューアルバム『Honestly, Nevermind』は、そんな大きすぎる問いに、我々を向き合わせる作品だったように思う。黒いジャケット、溶ける文字。激しく脈打つ音。一見すると、あまりにも意外な展開だが、ドレイクにとってこのアルバムは全…
ロザリアのサード・アルバム『MOTOMAMI』は、颯爽と走るバイクのように「速い」作品である。シンガーソングライター/プロデューサーであるスペインの表現者は自らを一つの枠組みに収め、周りの目を気にしな
ストイックに、しかし軸はブレない。90年代のいわゆる“ゴールデンエラ”から活躍する現役ラッパーの中でも、ナズはとりわけ多作のアーティストと、まず言うことが出来るだろう。あまりにも有名なクラシックにして
世界を脅かしたパンデミックが訪れてから2年が経ったとはいえ、悲惨で暴力的なニュースが現実を覆っている。そんな悲観的な考えが、どうしても浮かんできてしまうのが2022年という年であったと思う。同時に、光に目を向けるのであれば、ほんの少しずつにでもかつての生活ーーそれは人同士が実際に対面し、場所を気にせず…
眩暈がする。その眩暈は人々の気分を、世界を歪ませるだろう。それは最早、思考が介在する隙間がないような歪みにも感じる。例えば、その朦朧とする頭で、目の前のテーブルにあった何かわからないものを、腹が減った
確かに2020年のことは最近よく思い出す。具体的に言うのであればあの年の孤独を。それは、予測不能なパンデミックに対し、人々が翻弄され、抑圧された、そんな時期の始まりである。 回顧するにはあまりに近すぎ
様々な暗い出来事が続いた年末年始。そんなムードに抗うようにリリースされた5つのヒップホップ作品ーーElle Teresa、Deech & Lil’Yukichi、Moment Joon & Fisong、Die, No Ties, Fly、柊人の新作について、ライターの市川タツキが紹介していく。
思うに、前作『アス』(2019年)のラストにおける、ミニー・リパートンをダイナミックに流すような大胆なポップミュージック使いは本作にはない。しかし、“未知との遭遇“を想像する前半から一転、直球なエンタ
前回、ヒップホップ/ラップアルバムの年間ベストをこの場を借りて発表したわけだが(※1)、当然取りこぼしは多い。特に、海外の作品と国内の作品を混合し語ることによる意味は大きかったが、それにより国内の作品について、いくつか拾いきれなかったのが心残りではある。 簡単に振り返るのであれば、ある種のウェルメ…
まずは、(sic)boyが国内シーンの中で、特異かつ貴重な存在であることを認めるところから始めよう。 Soundcloud出身、ロールモデルの1人としてL'Arc~en~Cielのhydeからの影響を公言する(sic)boyは、いわば内性と外性、その両方を併せ持つアーティストと言える。内と外。この…
奇妙で美しく、饒舌で寡黙、隣人のように親しみ深いのに他を寄せつけぬ気高さもある……。アイスランドはレイキャビクで生まれ育った、この世界的なスターついて何か書こうとすると、きっと
昨年リリースの傑作KM『EVERYTHING INSIDE』のアナログとインスト版が5月に発売された。数多くのゲスト���ッパーを迎え、コンセプチュアルに整えられたこの作品には、まさに現行の日本のヒップホップシーンの“気持ちいい音”が詰め込まれていた。 このようなアルバムを聴いていると、あらゆる“隔た…
ユリヤは視覚の人間だった──彼女が写真家になる理由を、映画はこうもあっけなく捉えてしまうのだ。“見ること”が視覚芸術である映画にとって重要であることは言うに及ばないが、それは同時に誰かの人生を見つめる
音を言語化するのは難しい、とよく言われる。確かにそうかもしれない。それは目に見えないからか、あるいはある種の抽象性、概念性を持ち合わせているからか。しかし、そんな言葉に詰まる我々を尻目に、ヒップホップのサウンドの多様化は進んでいく。バラエティに富んだ楽曲たちは、シーンに散らばりながら、挑戦を、あるいは…
グラミー賞、ブリット・アワードそれぞれ2部門での受賞歴を誇るだけではなく、『The Suburbs』『Reflector』『Everything Now』が全米と全英チャート1位を獲得(最新作『We』
連載『lit!』第94回では直近でリリース5つのヒップホップ作品ーーCOVAN、BLYY、Sweet William、Only U、Neibissの新作について、ライターの市川タツキが紹介していく。
乱暴だが美しい。“魂は別売り”と題されたフレディ・ギブスの新作は、過激な描写と、それに相反するようなメロディ、そして感情に訴えかけてくる“ソウル”が同居している。 タイトルに隠れているのは三つのドルマ
人���はダンスフロアに向かう。それは降りかかる社会の抑圧のためか、あるいは耐え難いシステムの不平等のためか。人々が交わり、踊るその空間は、不寛容で息苦しい社会からの逃避の空間であると同時に、抵抗の空間で
ほんの少しだけ足を止めて、振り返ってみる。Burna Boyの音楽には伝統性とモダンなクロスオーバー、社会性と内省、過去と未来が詰まっていた。2019年の『African Giant』は自らのことを巨
疫病、戦争、テロ。世界を真っ黒な雲が覆い、地上は息つく間もないほど荒れている、そんな様相だ。ここ数年のネガティヴに思いを馳れば、ズブズブと沈んでいってしまうのは簡単かもしれない。いや、人の感情とはそん
『THE HOPE』が体現するように、国内ヒップホップシーンがより強固な独自性と熱狂を浸透させている。連載『lit!』では、そんなシーンのリアルを象徴するような最新作として、SPARTA、Candee、TOCCHI、Elle Teresa、5lackの5作を取り上げる。
男は、もぬけの殻になった《WeWork》のオフィスで、向かいの建物に獲物が現れるのをじっと待っている。男は孤独な仕事人で、完璧な準備とルーティンをこなしながら待機する。しかし物事は計画通りにはいかない
〈俺は紳士だ。お前らの女に50万ドル賭けた、俺はフェミニストだ〉 ( 「On BS」) 『Her Loss』とはいかにもドレイクらしいタイトルである。ドレイクというアーティストは多くの時において、“彼
劇的なコラボレーションは、ヒップホップにとどまらず、常に私たちを煽り、翻弄しながら、期待させるものだ。今回の「lit!」では、今年リリースの客演、コラボレーション楽曲に注目する。例年と同じく、良曲の多かった印象のある上半期だが、その中から、特に気になる楽曲を5曲ほどピックアップしていきたい。Lat…
早くも上半期が過ぎた2023年。幕張メッセで開催された『POP YOURS』やABEMAで放送されていた『ラップスタア誕生』など、国内シーンの盛り上がりを象徴するようなイベントが印象的だった一方で、優れた音源作品も多数ドロップされている。今回の『lit!』では、そんな上半期の終わりにリリースされた国内…
地平線の存在を無視できない。かつて若きスティーヴン・スピルバーグがジョン・フォードから映画の絵における地平線の位置について教えを授かった有名な逸話が、新作『フェイブルマンズ』(2023年)に驚くような
ジャンル別に新作をレコメンドしていく連載『lit!』。第76回は、「汚いもの」を散文的に晒しながら、モザイク的に美しく表現として昇華していく“ヒップホップの捻れた側面”を象徴するアルバムとして、ドレイク、City Girls、ケン・カーソンなど計5作品を紹介していく。
<誰にも奪えないものが/歌わなきゃいけないものさ/ドラッグやかわいい女/よりも僕には見せたいものが> この世にはきれいな姿を取り繕うものが多すぎやしないだろうか。 卓越した東大阪のラッパーが曲の中でこ
「あれ観た?」いまチェックしたい映画&ドラマ・シリーズ / Did You Watch That? Vol.1
思うに、過剰さは現代における一種のトレンドなのだろう。特に、音楽や映画含め、世の中で目立っているコンテンツは、どれも様々な要素が詰め込まれているもので、シンプルな世界観を創造しているものは、現代におい
目の前にドアがある。一つの部屋から出ると次のドアがある。開放という行為は次の部屋に繋がる。向こう側の世界を目指してドアを開け続ける。現実の鬱々しさと残酷さ、癒えない傷を、カラフルでポップな装飾をまぶし
現実世界は流動的と言える。さまざまな情報や価値観が更新され続け、何もかもが、状況が、目まぐるしく変わる忙しない時を我々は生きている。何もしないと、日常の何もかもが目の前を通り過ぎていってしまうような。
先月リリースされたBilly Woods『Aethiopes』を聴いてみると、予想はしていたことだが、鮮烈にハイコンテクストな作品になっていた。数々の引用の中で、Woodsはフィクションと、幼少期を一
アルバム・2021年・16曲
まさに太陽の光の下に照らされているような光景を連想する。というより思い出しているのかもしれない。 地元の光景で真っ先に思い出すのは、山道や河原、畑に竹林。そういった情景の季節は、私にとっては決まって夏
連載『lit!』第100回では直近でリリース5つのヒップホップ作品ーーErick the Architect、スクールボーイ・Q、フューチャー&メトロ・ブーミン、J. コール、Concrete Boysの新作について、ライターの市川タツキが紹介していく。
今年の夏は暑い気がする。すでに猛暑が我々を襲う2023年。その中で、もう一つの熱の記憶がある。 7月4日にMVがドロップされたある楽曲に、どれだけのヘッズの指が動いたか。OZROSAURUS「Players’ Player feat. KREVA」が叩き出した瞬間最大風速は、2023年のシーンにお…
再生するとすぐ、リスナーに聞こえるのは虫の音。あるいは1曲目のタイトルにある“庭“を飾りつけるような鳥の囁きや草木の音。つまりは地上の音である。“Red Moon In Venus”。アルバム・タイト
ドラマ・シリーズ(テレビ・シリーズ)はこちらの時間を容赦なく奪ってくる。と言うのも、ここ8年くらいの間で、ストリーミング・サーヴィスの隆盛も手伝って、数々のシリーズが制作(そして時には打ち切り)を繰り
真実とは模倣不可能なものであり、虚偽とは変形不可能なものである。 ──ロベール・ブレッソン『シネマトグラフ覚書―映画監督のノート』より アール・スウェットシャツは“真実”が自分自身の中にしかないことを
“ヒップホップ・バンド”、あるいは“生演奏とヒップホップの融合”といったトピックを語る上で外せない存在、ザ・ルーツ。最も偉大なラッパーのひとりであり、同時にそれでもなお最も過小評価されているラッパーと
With a unique mix of image and intellect, Vanity Fair captures the people, places, and ideas that are defining modern culture. From the arts and entertainment, to business and media, to politics and...
あるナイトクラブ。“監視者”と呼ばれ、あたりを牛耳るその男は特等席で葉巻を蒸す。彼は、気にでも触ったのか、クラブのオーナーに演奏中のピアニストを追い出すよう指示する。逆らえないオーナーは彼に従い、ピア
“私は時々内省的になる”、というのは9月に来日公演も決定しているリトル・シムズが昨年リリースしたアルバムのタイトル(『Sometimes I Might Be Introvert』)だった。人の死が身近な事象として取り沙汰され、メンタルヘルスの問題がさらに顕在化したパンデミック以降、ヒップホップに限ら…
ヒップホップの世界において“ビーフ”の話題が立て続いている。1月26日、ミーガン・ジー・スタリオン「Hiss」を機に始まったニッキー・ミナージュとのビーフの過激化や、新たに勃発したアイス・スパイスvsラトーのビーフの状況を踏まえ、どのように受け止めるべきかを考える。
「ポケットいっぱいの涙」のアレン・ヒューズ監督が、音楽界の大御所ドクター・ドレーとジミー・アイオヴィンの飛躍、そして画期的なパートナーシップを描く。
2023年11月にアンドレ3000が待望のソロ・デビュー作『New Blue Sun』をリリースした。しかし、それは長年にわたって彼のラップを愛してきたファンにとって意外なものだっただろう。同作はアン
XGがYouTubeにてラップ企画「XG TAPE 4」を更新。映像からグループがヒップホップやそのカルチャーに寄せるリスペクトを紐解く。
この番組の配信は終了しました
優れたアルバムや映画は時間を溶かす、といつだって思っている。逆に言えば時間を溶かすような、アルバムや映画は魅力的である。その魅力的な作品は、時間芸術であるがゆえに、エンディングに向けて進んでいく運命に