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東畑 開人 『雨の日の心理学』 Profile
東畑 開人 『雨の日の心理学』

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臨床心理学が専門で、関心は精神分析・医療人類学。白金高輪カウンセリングルーム主宰。 日々の臨床心理学勉強日誌はInstagramに。

白金高輪カウンセリングルーム
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
7 months
年5回やっている通年シリーズ講義、来年度は『みんなのカウンセリング入門』を開講します。専門家向けだけではなく、ユーザー向けの入門でもあり、心の問題とは何か、心に介入するとはどういうことかを一般向けに語り直そうとする講義になります。年5回というのは気楽に勉強できていい感じです。
@RoomStc
白金高輪カウンセリングルーム
7 months
2024年度は『みんなのカウンセリング入門』を開講します。今までにない角度から「カウンセリングとは何か」を語り切る講義になります。 ぜひご参加ください。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
1 year
「復讐は冷やして食べるのがいちばん」 フランスの諺で、熱に浮かされて瞬発的に復讐するのではなく、時間をかけてゆっくり復讐した方が満足度が高いという意味らしい。時間というものにいかに心を癒す力が宿っているかを伝える、叡智あふれる至言だ。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
6 years
性格が悪くて、群れでひどい目にあってるチンパンジーも、他の群れに混ぜてみると味方になってくれるチンパンジーが出てきて性格も安定するそうです。ここには二つの学びがあります。一つは今が辛くても違う群れに移れば希望があること、もう一つは自分の性格の悪さは環境のせいかもしれないこと。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
8 months
大学に勤めていたとき、学生が卒業研究で初恋について調査をしたところ、相手を好きになった理由で「隣の席だったから」みたいなのが結構多くて驚いた記憶がある。結局、体が近くにあることで他者を好きになるという動物的本性が人間にはある。身体に引きずられながら人間やってる感じだ。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
11 months
教育虐待の本を読むと、家庭というものが「受験」や「オリンピック出場」など、一つの目的を達成するためだけの場所になることの悲惨さがよくわかる。暮らしというものは、本来複数の目的があって、その塩梅や配分でウロウロ迷うくらいが健康的で、一つの究極目標に向けて組織化されると暴力的になる。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
2 years
オードリー・タンの本を読んでいたのだが、このドラえもんの解釈は秀逸。「現実を受け入れろ」と直面されても現実に馴染むことは難しくて、誰かがその苦しさをしばし預かってくれた後でのみ、現実と向き合えるという逆説。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
3 years
本というメディアの本質は、心の個室で安全に孤独になれるところにあるのではないか。読むのに時間がかかるから、きちんとひとりになれる時間を確保する必要があって、それがネットやテレビや新聞や雑誌とは違う。逆にいうと、本を読む余裕がないとすると、孤独になる権利が奪われているということ。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
5 years
この一年、心理士、経営者、学部生など多様なメンバーで勉強会をしているのだけど、その中にひとり哲学者がいるだけで議論が異常に盛り上がる。それぞれの現場感覚の話を、古今東西の賢人が既に考えてきたことに繋げてくれるので視野が強烈に拡大する。どんな会議にも哲学者を一人常備すべきではないか
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
4 years
原稿の書き方。6割まで来たら人に見せて、コメントをもらう。すると、自動的に7割まで進んでくれる。そこから9割まで頑���って、諦めて提出するのが吉。9割5部を目指すと地獄の日々を過ごさざるをえないし、10割を目指すと永遠に出せない。ふしぎなもので、時間が9割の原稿を10割に熟成してくれる。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
5 years
ちなみにやりたいことが何もないという学生には簿記を勧めている。どの仕事も結局は「帳簿内存在」なので、やりたいことが見つかるまで世界一周するより、簿記を勉強するのがいいという理由。このアドバイスは、現役学生にはキョトンとされるが、就職後に傷ついて転職相談にきた卒業生にはよく通じる。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
6 years
卒論の学生が「現代の若者はいつ祈るか」という研究をしているのだけど、スマホゲームでガチャを引くときと、コンサートとかのチケットに申し込むときが圧倒的に多いという結果でした。僕らは、お金だけでは手に入らないものを前にして、抽選を司るコンピュータプログラムに祈るのですね。
@sstokota
とこた
6 years
きのう行ったお店で、入り口のところに仏様?お地蔵さん?みたいな石があってお賽銭があったので、ジャニヲタの先生と二人で「申込中のチケットとれますように」って投げ銭して拝んできた ご縁がありますように…
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
9 months
「私は何千万といる日本人のうちで、ただあなただけに、私の過去を物語りたいのです」 夏目漱石『こころ』の一文だが、まさに心というのはこういう感じだ。自分しか知らない自分なりの物語を、他者と分かち合いたくなるところに、心が発生している。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
10 months
「依存すべきときには依存し、そのことを認識し感謝することによって自立する」 『河合隼雄の幸福論』の一節。自立とは依存していることを「認識」することである、というのは深い。自分が依存してることを知るのは無力に思えるようで、その無力の感覚こそが実は自立の感覚であるというパラドックス。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
5 years
SNSで愚痴を書くことについて、学生が行った調査では、書いた愚痴について多くの人が「そっとしておいて、何もしないでほしい」と回答していました。リアルで愚痴を言うと、アドバイスされたり慰められたりしてしまうけど、SNSだとスルーしやすいのがよい、とのこと。触れないことの価値。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
6 months
「私たちは深い準備をすることなく、人生の午後に踏み出すのです」 ユングの文章。人生の前半から後半へ、つまり人生の登山から下山への切り替えは、気づくと始まっていて、事前に察知できないという話。ある日突然、成長の物語がすでに終わっていて、自分が老いの物語の最中にいることを知る。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
4 years
人は変わらない、というのが現代のなんとなくの共通理解になっていると思うが、それは多分「変わる」というのが、180度とか90度の変化のことばかりが理解されているから。臨床現場にいる人は5度とか1度の変化に敏感に感動する。というのも、1度の変化が時間の積み重ねのなかで人生を大きく変えるから。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
1 year
「書く」というのは、ぼんやり考えていることをしっかり考えること。その最高強度が論文という形式で、論文を書くと、考えていたことが概念になって、自由に使いこなせるものになる。逆に「喋る」は、ぼんやりした考えを増殖させる方法。思いもしなかったことを考え始めるのには「喋る」のがいい。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
11 months
「傷というのは物語に入る入口なんです。出口でもあるし。そして物語ができたときに傷は癒やされるわけです。あまり傷のない人は幸福に生きられるから、周りが傷つくんじゃないでしょうかね」 村上春樹との対談における河合隼雄の言葉。大変深いな。そして「深い」という感覚こそ現代では稀少だ。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
4 years
河合隼雄が村上春樹との対談で、頭でばかり「正しさ」を考えていると「小さな箱」に閉じ込められてしまうが、そこから抜け出すのを人間関係が助けてくれると語っている。人間関係は根本的に矛盾を含んでいるから、箱の中のピュアで小さな「正しさ」がもっと大きな景色から見えて、曖昧になっていく。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
2 months
ドストエフスキーがかつての沢尻エリカの心境を見事に言語化していた。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
7 months
「夜明け前の同僚」、素晴らしい表現だ。一人でしかできない仕事を、一人でしている時間帯に、誰かも同じように1人仕事をしてる感覚。 有料記事がプレゼントされました!2月12日 7:11まで全文お読みいただけます 小澤征爾さんを失って  村上春樹さん寄稿:朝日新聞デジタル
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
11 months
「自己肯定感」についての本を色々と読んでいるが、基本的には自分で自分を肯定するための工夫が紹介されている。しかし、自己肯定感が問題になるのは、自分への攻撃が強まったときであるのだから、本当に重要なのは自己肯定を強化するのではなく、自己否定を和らげることであるように思う。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
30 days
河合隼雄の魂の定義いいな。つまり、AかBかでうまく割り切れなくて困っているときに、魂が自己主張している。逆に言えば、気持ち良く割り切れてるときには、魂はその選択に関与できなくなっている。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
7 months
「自分の方をおろそかにしすぎて社会の型に早くはまった人は、あとで困っていますし、それから自分の方を大事にしすぎた人は、なかなか社会にはまっていかない」 河合隼雄の言。この二つが折り合えると「おとな」になれるとのこと。一方社会の側の「はめ方」が柔軟で多様なのが成熟した社会なのだろう
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
2 years
ある人類学者が現地人に宗教についてインタビューをしていて、最後に「逆に何か聞きたいことあるか?」と聞くと、「その腕にはめている神みたいなものは何か?」と問われたエピソードが大変いい。人類学者が重要な決定を下す時に、必ず腕時計を見ていたから、という理由。今ならば、スマホが神だ。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
26 days
こっちは小川洋子による物語論で、これも本質的だ。物語とは接着剤のように心の世界と現実をつなぎ合わせ、折り合いをつけさせるものである。それゆえに時々物語は現実を歪めるような危険なものになるわけだが、しかし現実は常に心とはズレるものであるから、人は大なり小なり必ず物語を必要とする。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
11 months
『イーロン・マスク』読み終わった。ロケットを飛ばそうとして何度失敗しても全くへこたれない人が、Twitterを買収したことだけは何度も後悔し、へこたれてる姿が描かれていて、宇宙空間より人間の方が断然複雑で手強いことを痛感したのでした。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
10 months
「暴君やスーパーヒーローであっても眠らなければならない以上、誰かを信頼しなければならず、なんらかの忠誠心をあてにしなければならない」 クリック『現代政治学入門』の権力についての一節だが、睡眠の本質を言い当てているように思った。睡眠には枕以上に心の中の信頼できる他者が不可欠である。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
10 months
これは至言だ。不安は眠りを殺し、希望は人を眠くする。
@KeOtani
Otani
10 months
よい眠りには、ささやかでいいので、明日いいことがあるという期待も必要。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
3 months
「よいフェンスはよい隣人を作る」ということわざも深いな。適切な境界線を引き、ほどよい距離を作ると隣人が「いい人」になる。あるいは、相手が同じようにしてくれると、自分も「いい人」になれる。性格の良し悪しは案外垣根の高さの設定によって決まってくるという話である。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
2 months
『地下室の手記』というのは、みじめな境遇にある中年男性がひたすら呪詛を吐きまくる小説なのだが、彼がメタ認知モンスターであるのが面白い。自分を客観視することをやめられないので、自分も他人も冷笑するしかなく、ちょっと優しくされてもメタ認知的冷笑で台無しにしてしまう。客観が孤独を生む。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
25 days
河合隼雄、天才と言わざるを得ない。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
8 years
近所の子供がちいさなメダルを道で拾ったのをきっかけに、それを御神体にした小さな社をマンションの庭に作っていました。最小単位の宗教の発生を目撃して感動したと同時に、管理人さんに除去された日には最小単位の宗教弾圧になるので、それはそれで趣がありますね。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
5 months
「おのれの心に地獄を見出し得ぬ人は、自ら善人であることを確信し、悪人たちを罰するための地獄をこの世につくることになる」 河合隼雄『影の現象学』、仏典における天国の描写が退屈で、地獄の描写は生き生きしてるという話の流れなのだが、心に地獄を抱えてる方が人間らしいということなのだろう。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
5 years
思い切って「オックスフォード英単語由来大辞典」を買ったのだけど、素晴らしい。例えば“cry”はもともと「熱心に要求する」「声高に求める」という意味だったらしい。赤ちゃんが泣くとき、彼らは何かを求めてるし、よく考えたら大人が泣くときも、実はそこには何かを求めてる気持ちがあるなと思う。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
5 years
大学に「絶望名言2」が届いていた。今回は遠藤周作の名言が載っていて、しかもよく思い出す「ふとした記憶が蘇って「アー!」と恥ずかしくなってしまわない人とは友達になれぬ」という一節が出てて、なんか嬉しい。
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東畑 開人 『雨の日の心理���』
1 month
「わからなさ」を受け入れることは他者への畏敬の念をもたらし、それでも「わかろうとすること」は他者とつながるための回路になる。「わからなさ」に偏ると神秘主義的になり、「わかる」に偏ると操作主義的になる。この塩梅の中でさまざまな臨床の理論がある感じ。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
6 years
これ、面白いんです。滝まで歩けない人をおんぶして運んでいた「剛力」という宗教系の人たちが、明治になって滝治療が禁止されて代わりに精神病院ができると、そのまま看護師になったという話を読んだことがあります。医者は近代医学だけど、ケアは前近代から引き継がれていた。
@hkazano
風のハルキゲニア
6 years
精神科の病院は東京だと青梅とか八王子とか山間部にあることが多くて、それは都市の周縁部に配置されやすいからでもあるのだけど、もうひとつの理由としては明治以前の密教の滝治療の場から発展したケースもあります。東京だと高尾、京都だと岩倉に精神病院が多いのはこの例。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
4 months
「自分になる」という発想には、「なりたい自分になる」という思想と、「なりたくない自分を受け入れる」という思想の両方があるということだ。前者は人生の前半を突き動かし、後者は人生の後半に切実な問題になる。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
2 years
映画「かがみの孤城」が素晴らしかった。不登校の傷つきと回復が切実に描かれていて、心理学書は物語にかなわないなと思わされる。大学生の頃、心理学の本じゃなくて小説を読めと色んな先生が言っていて、よくわからなかったが、心というものは概念よりも物語によって伝達されるということ。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
4 years
ドラえもんとのび太、大変病理的な関係である。まずはドラえもんがカウンセリングに行く必要があるな。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
2 months
ユングは「わからなくなること」に肯定的で、これはその分だけ相手の主体性が発現されていると捉えているからだ。身近な人がわからないことをし始めると、周りは困惑するわけだが、まさにこの瞬間にこそ、ワイルドなその人らしさが現れているということだ。「わかる」は支配であるという話でもあるな。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
5 years
中井久夫曰く、最強のセルフケアは雑談だということで、しょうもないことを話せる友人がいるかが心の病気の予後に大きく影響するとのこと。確かに、具合が悪くなると、雑談が苦痛になり、何を話していいかわからなくなる。深刻なことは当然話しづらいので、それがまだしょうもないうちに雑談すること。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
6 years
授業で「美しさに傷ついたことがあるか」アンケートをとったら、「桃を丸かじりしたら、唇が腫れてしまった」という答えがあって、女子大生というのはなんてポエジー溢れる世界を生きてるんだ、と感心しました。俵万智みたいですよね。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
2 months
誕生日というのは基本的には孤独感の強まりやすい1日だと思う。だからこそ人はお祝いするというのもあるし、お祝いする風習があることで孤独感が強まるのもある。いずれにせよ、自分ということを考えてしまう1日であるという意味で、誕生日には「危機」が内包されている。
@sui_lab_hs
自殺学研究室 / Hajime SUEKI
2 months
バースデー・ブルー仮説(自殺のリスクは誕生日とその前後に高い)は大規模に支持されており、「日本の死亡記録約100万件を用いた分析の結果、20歳(≒成人?)、30歳、40歳、60歳(≒定年?)の節目の誕生日に自殺が多い」という知見を松林先生が出してる、というツッコミが早々にありました(笑)
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
19 days
こちらのリンク、深いドキュメントなので、ぜひ一読ください。『雨の日の心理学』でも取り上げていて、トイレ掃除が心のケアであることのような「おせっかい」の価値について書いてます。臨床心理学が「おせっかい」を真面目に考えることがいかに困難だったか、その格闘が生々しく伝わってくる文書です
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@kipp_911kbnaot
川畑直人
19 days
阪神淡路大震災時に、臨床心理士として何ができるかわからないまま現地に飛び込んだ。「活動について考える会」で議論を重ね、ニュースレターとして発信した。若い人たちに読んでもらえるとうれしい。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
11 months
著者曰く、かつての「親友」も3年会わないと「知人」レベルに格下げされるとのこと。友情とは何か、相手の情報をアップデートし続けることによって成り立つ関係である、という説だが、逆に言えば、久々に会っても、短時間で現状までアップデートできる関係性のことを「友情」と呼ぶのかもしれない。
@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
11 months
ダンバー『宗教の起源』に出てくる図。親密な相手、親友、かなり親しい友人、良い友人、とだんだん関係の距離が遠のくにつれて、そこに当てはまる人の数は3倍ずつになっていく説なのだが、妙なリアルさがある。人間の情報処理能力的に、他者のことをどの程度知っていられるかに限界があるのだろう。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
4 years
コロナ時代に辛くなったことと楽になったことについて授業でアンケートをとったら、多かったのが、辛いのは人と会えないことで、楽なのは人の目を気にしないで済むようになったことだった。他者も社会も、不快でもあり、気持ちいいものでもあるというのがよくわかる。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
4 months
河合隼雄が日本人には夢分析は向かないと判断し、代わりに箱庭を輸入したという経緯は重要で、それはつまり「無意識」という心の閉じられた部屋についての感性を日本社会に普及させるために、現物としての「箱」が必要であったということだ。内面のために物質が必要というのはラディカルな認識でよい。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
4 years
オンライン授業。教員のやる気が出過ぎたのか、直接会えないのが不安なのか、あらゆる授業でいつも以上に課題が出るので、学生が参ってるという話を聞く。課題自体も、校舎があって、友人と話し合いながらなら簡単にできたものが、家で一人で取り組むと細々したことが難しく、時間が食われるとのこと。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
6 months
アインシュタインが知識人ほど暗示にかかりやすく極端な行動に走りやすい、みたいなことを書いていて、その理由を文字を通じて現実を把握するからだとしている。確かにテキストというのは極端な解釈をされやすく、声の方が複雑さが伝わる。深刻な問題の相談は、メールより電話の方がいい理由はこれだな
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@ktowhata
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4 years
成功体験によって自己肯定感が上がるというのはよく言われていて、それもそれでそうだと思う。ただ、実は失敗体験について、自分ではなく、環境や社会に問題があったと気がつくことの方が自己肯定感にとっては大事なのではないか。自己賞賛を高めるよりも、残酷な自己批判を和らげる方に本質がある。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
7 months
素朴で稚拙な物語は危険だと村上春樹は言い、河合隼雄は素朴な物語を科学で粉飾するのが危険だと言う。結局、論理的すぎる短い物語が危険だということなのだろう。物語は長いか、謎めいてるか、いずれにせよ短時間では納得できないものであるときに心を豊かにする。これは「タイパ」の逆の発想だ。
@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
7 months
『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』は世の中に大量の対談本があるが、個人的にはベストだ。繰り返し読み続けてきた一冊。二人は物語と癒しについて切実に語り合っていて、その背景にはオウム真理教事件がある。物語によって災厄が起きたあとに、それでも善き物語はいかにして可能かが話し合われている
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
5 years
メンタルヘルスの問題の多くで「休養」というのは必須なのだが、メンタルヘルスの悪化によって一番損なわれるのは「休む」力でもあるから難しい。罪悪感や焦りで休みが休みにならなくなる。よって、必要なのは周囲による「休む必要のある人」扱いで、それはインフルエンザのときの特別扱い感に通じる。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
4 years
知人の話を聞くにつれ、やるせなくなるのは、家庭と社会が子育てをし、教育を授け、一人前にした若者を、社会がブラック企業をもって遇すること。それは希望を持った未来ある若者のキャリアに傷がつくというだけでなく、彼らに深い絶望を植えつけている。貴重な希望を殺す社会の自滅と言わざるをえない
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
7 years
昨日ツイートした子供の作った社ですが、乱暴な男の子に破壊されたらしくて、見つからない場所に遷宮してました。なぜか原始的な雰囲気から、やや雅な感じになってて、文明の進展を感じました。
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@ktowhata
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2 years
藤子不二雄Aさん。締め切りを破ったことで出版界から干されたという氏のエピソードに絡めて、僕は締め切りが怖いから2週間前には原稿を出すのだ、と連載に書いたら、お手紙を下さった。2週間は早すぎ、締め切り二日前くらいがちょうどいい、という激励の手紙でした。ご冥福をお祈り申し上げます。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
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これはチンパンジーに対して飼育員が行うケアも同じだった。一緒に動く遊びがケアの根源にある。これを言葉を通して行おうとして、うまくいったり、失敗したりするのが人間だ。
@tyomateee2
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1 year
うつ病になってしまい羽根を抜くようになってしまったオウムを助けるため、オウムと毎日一緒に踊って治療した飼い主さん。6ヶ月後には無事にふさふさに戻って、うつ病も良くなったらしい。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
3 months
空前の面白さの講演だった。「古代の医学書は文字ばかりなのに、現代の医学書は画像だらけなのはなぜか?」という問いから、医学はかつて時間の科学だったという話になる超展開で、こう書いても意味わからないと思うのだが、人文学における天才のきらめきを目撃した感動に包まれてしまったのでした。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
5 years
心理士の世界では「承認欲求」という言葉はほとんど使われなくて、同じ現象が例えば「自己愛の傷つき」などの言葉で語られているように思う。「欲求」だと「抑えましょう」というニュアンスが漂ってしまうのに対して、「傷つき」だと「ケアが必要」というニュアンスになるからかな、どうだろう。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
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「晩年のカント」に書かれている哲学者の晩年。味わいがあってよい。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
2 months
なので、「とにかく理解しようとしないように」とユングは警告しているが、これを真に受けて理解を放棄するならば、それはそれで相手の主体性の無視になるのが面白い。「理解しようとしてるのに理解できないのでなんとか理解したい」という煩悶こそが、他者の主体性と出会ってるときなのだろう。
@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
2 months
ユングは「わからなくなること」に肯定的で、これはその分だけ相手の主体性が発現されていると捉えているからだ。身近な人がわからないことをし始めると、周りは困惑するわけだが、まさにこの瞬間にこそ、ワイルドなその人らしさが現れているということだ。「わかる」は支配であるという話でもあるな。
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@ktowhata
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人類学者のルース・ベネディクトが「歴史を学ばずに自分の目で物事を見ているための思い違い」という表現をしているが、確かに「自分の頭で考える」には盲点があって、「他人の頭を借りて考える」のが必要なときはあるな。感情���絡むときは特に。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
1 year
末木新『「死にたい」と言われたらー自殺の心理学』の帯を書きました。臨床心理学の冷たさと温かさの両方を感じる本です。
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@ktowhata
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4 years
「自己肯定感」って心理学的な言葉で、それを心理学的介入によって改善しようという意図をもつ言葉と思うが、実は「自己肯定感」の低さを「心のせいではなく、社会のせいだ!」と怒ったり、悲しんだりしたときに初めて、自己肯定の回復が訪れることはままある。これも心理学のパラドックス。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
5 months
「第3の道にこそ、真の個性が現れる」的なことを河合隼雄がひたすら書いている。「その人らしさ」とは、世の中に既にある2つのルートや対立する2つの思想のあいだで、どちらとも決めきれず、逡巡する時間を長く過ごすうちに滲み出してくるものだということ。つまり、悩むことの創造性。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
2 years
アメリカのある先住民では、「うつ」がそれ単体では病気でないという話も面白かった。落ち込みや悲しみを部族と分かち合ってる限りはそれは正常なプロセスで、人に話せなくなり、悲しみを一人で所有しているのは病いと捉えられる。心は人々の間を回遊してるのが自然で、個人に��じ込められると病気。
@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
2 years
グリンカー「誰も正常ではない」、心の病の名指し方がいかに人々の意識に影響を与えるかの人類学で面白い。ネパールの僻地では「メンタルヘルス」と看板を出すと患者がこないが、「慢性頭痛」と看板を出すと不安や抑うつに苦しむ人がたくさんやってくるという。文化に合わせた心の翻訳の話。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
6 months
「臨床家に必要なのは『優れていること』『他よりも秀でていること』ではなく、『いつもそこにいること』である」 松本俊彦さんの名言。遅刻や欠席をせずに、いつも通りに待っている支援者がいかに心を支えるか。つまり、予想の範囲内であることの持つケア力の話、よき保健室がそうであるように。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
5 years
相��のたびに違うスクールカウンセラーが出てくるシステムだった結果、結局相談自体を辞めてしまった子供の事例を読んで思ったのだけど、対人援助職の本質って、なんだかんだで援助技法とかプログラムではなく「その人だから」というところにありますな。だからこそ、援助職の雇用には安定が不可欠。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
2 months
それにしても、若い頃は小説というのは一気読みすべきだし、一気読みできるものこそ至高だと断じて思っていたが、年をとるとそもそも一気読みができる状況ではなくなり、それゆえに筋を忘れるくらいチョコチョコ読んでも素晴らしい小説があるのを知る。文体だけで十分に読書はハッピーになりうる。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
11 months
信田さよ子氏が「カウンセリングとは作戦会議である」的なことを書いてて、いい言葉だと思った。内面の問題を扱うときは必ずしもそうではないにしても、人間関係という外的な問題に対処するためになされるのは確かに「作戦会議」だ。カウンセリングとは作戦が生まれる場所でもある。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
4 years
心理学にせよなんにせよ世の中にはすでに十分過ぎるほど文献があるので、何を書いても全く新しいことを言えることはないのだが、それでも何かを書くことに意味があるのは、それが自分サイズの言葉を作る行為だからではないか。教科書や先生の言葉ではサイズ感が合わないから、手に馴染む言葉を作る。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
4 years
もらうだけでありがたい気持ちになるようなメールを連発できるのを「メール力」という。これは文章力がすごいように見えて、本当は類稀なる事務能力の賜物。科挙で詩作が問われたり、平安時代の官僚が短歌で競ってたりするのと同じで、事務能力の本性は文書作成力であり、その根底にはポエジーがある。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
1 month
思ったが、文化というのは「さみしい」という一言がどうしても言えなかったときの代償物であり、症状なのかもしれないな。つまり、「さみしい」という一言の代わりに、さまざまな歌があり,物語がある。和歌とかはストレートにそんな感じだが、近代芸術は何重にもオブラートをつける。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
4 years
スマホも本も持たずに、一人で15分黙って座っていてもらうという実験。かなりの人数が6分たったくらいで、退屈のあまりに自分に電気ショックを与えるようになったらしい。実験前には「電気ショック?そんなバカなボタン押すはずがない」と言っていたにもかかわらず。いかに一人になれないかの実験。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
3 months
昼のラジオには生活を共にしているような井戸端会議感があり、深夜ラジオには孤独を共にしているような背徳感がある。同じ時間を生きてる感じがラジオにはあるんだな。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
26 days
そう思うと、人が本屋さんや図書館に行くのは、心の世界と現実世界のギャップをどこかでぼんやりと感じているときなのかもしれないな。その溝を埋めようとして、人は物語を読み、自分の中の物語を刺激し、なんとかかんとか折り合う筋道を探す。生き延びるための本屋と図書館。
@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
26 days
こっちは小川洋子による物語論で、これも本質的だ。物語とは接着剤のように心の世界と現実をつなぎ合わせ、折り合いをつけさせるものである。それゆえに時々物語は現実を歪めるような危険なものになるわけだが、しかし現実は常に心とはズレるものであるから、人は大なり小なり必ず物語を必要とする。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
2 months
精神分析家コフートが、ナルシストは雑談していて読んでない本の話が出ると、その場では読んでるフリをしておいて、家に帰って大慌てで読み始める、みたいなことを書いていた気がするが、これは大変健康なナルシシズムなのではないかと思う。「そんな本、読む必要がないっす」となると世界は狭くなる。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
25 days
これが河合隼雄の物語論。自分の中の矛盾、あるいは自分に降りかかった矛盾に対して、自分なりに答えるために物語が生じてくる。そして、そういうものを周りは「個性」として認識する。つまり、「個性的な人」というのは、矛盾に満ちながら、その矛盾をなんとか束ねようとする人だということだ。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
26 days
こっちは小川洋子による物語論で、これも本質的だ。物語とは接着剤のように心の世界と現実をつなぎ合わせ、折り合いをつけさせるものである。それゆえに時々物語は現実を歪めるような危険なものになるわけだが、しかし現実は常に心とはズレるものであるから、人は大なり小なり必ず物語を必要とする。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
6 years
学生がホラー映画を見まくって、心理士・精神科医がどう描かれているのかを卒業研究で調べたのですが、彼らが人間らしい側面を見せてしまうと、殺されたり、大怪我を負ったりすることが多いという大変味わい深い結果を得ました。 あと、ブルーのシャツを着ていることが多いとのことでした。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
1 month
マクベスが妻の心を治してくれと医者に頼んでいるときのセリフなのだが、現代の臨床でも通用しそうな記述で、シェイクスピアはすごいと思う。「脳に刻まれた苦痛の文字」とか絶妙だ。 ちなみに、医者の答えは「病む者みずから心がけるよりほか、しかたはございませぬ」とかなり厳しい。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
2 years
グリンカー「誰も正常ではない」、心の病の名指し方がいかに人々の意識に影響を与えるかの人類学で面白い。ネパールの僻地では「メンタルヘルス」と看板を出すと患者がこないが、「慢性頭痛」と看板を出すと不安や抑うつに苦しむ人がたくさんやってくるという。文化に合わせた心の翻訳の話。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
11 months
河合隼雄が「心は二律背反」とか「ふたつ良いことさてないものよ」とよく書いてるが、これも目的が複数あり、その間で葛藤することの大切さの話だ。金にせよ、名誉にせよ、健康にせよ、どれか一つしか大切なものがなくなるとそれに支配されるようになり、複数あるときにその狭間で自由が生まれる。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
4 years
「自分の頭で考えろ」とよく言われるが、これは呪いのようなところがある。自分の頭で考えているか、人の言ってることを鵜呑みにしてるかは判別つきにくいし(というか混ざってるのが常だし)、なにより「自分の頭で考えろ」という人は、しばしば自分と同じように考えると喜び、そうじゃないと怒る。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
6 months
それにしても、ユングというのは「人間とは何か」以上に「人生とは何か」を語ろうとしていて、そこが心理学の中では異例なところなのだと思う。宗教が果たしてきた機能を、神抜きで真正面から��行しようとしている。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
4 months
ちなみにマズローには、娘2人の学費と仕送りのために臨時収入を稼げる講演をやりまくっていた時期があったらしい。その結果まともな学術論文を書けなくなり落ち込んでいたとのこと。自己実現の提唱者が、実際にはそういう人間くさい暮らしをしていたのは大変素晴らしいことだ。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
5 years
これ、チンパンジーでもそうだと聞いたことがあります。遊びは集団の緊張を和らげるためになされるので、正体不明の新人がやってくると「遊ぶ」。付き合いたてのカップルがカラオケとかボーリングとかで遊ぶのは不安だからで、本当に信頼できると遊ばなくても一緒にいられる。
@MajimeShunsuke
Majime Shunsuke
5 years
"遊びが始まるのは、不安を感じている証拠だ" #あさひなぐ
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
9 months
「心はどこにあるのか?」という質問を授業ですると、脳と心臓が二大勢力の答えになる。脳と答える人と心臓と答える人では性格も違うように感じるし、人間というものの捉え方がだいぶ違うように思う。前者はクールで、後者は情緒的。ときに「腹」と答える人もいて、これはかなり東洋的な世界観だな。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
4 years
コロナのストレスについて授業でアンケートを取った。恋人や家族など親密な人との間で、衛生意識が違うことが多く挙げられていた。どの程度外出自粛するかの感覚が違うことで、カップルが別れたり、家族で争いが生じる。言葉で話し合うことが最も難しいのが清潔さと不潔さ、安全とリスクの感覚。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
5 months
カントは賢く考えるための三条件を、①自分で考える、②他者の立場を考える、③自分に矛盾がないか考える、としている。自分の頭で考えたことと,他人の頭で考えたこと���同じくらい尊重して、その上でさらに思索を続けることには大変なストレスがある。喧嘩の最中に、自己反省することの難しさですな。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
5 years
「普通の家族で育った」と思っている人がいかに傷ついてきたのかの卒論。そこでの傷つきは主に親の言葉によって生じるもので、それはその後の人間関係の消極性と繋がる。しかし、「経済的に支えてくれたから」という理由で「普通の家族」と思うのだとのこと。「普通」によって隠蔽されるものの話。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
3 years
そう思うと、出版不況というが、本というメディアはこの世の終わりまで残り続けるんじゃないか。他者とつながるためのメディアはたくさんあるけど、自分とつながるためのメディアってとても少なくて、そういう欲求は人間である限りの消えることがないはず。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
5 years
大学生になぜ本を読まないのかを真面目に聞いてみたら、インターン、授業課題、アルバイトで忙しい中、本を読むのはコスパが悪いから、瞬間的に楽しめることや好奇心を満たせるものをつい求めてしまうとのことだった。本人たちもそれで良しとは思ってないだけに、大学改革とはなんだったのかと思う。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
7 years
僕は今年も英語論文を書けないまま年を終えようとしているというのに、焼き芋屋さんが先んじて英語どころかアジア圏を網羅するグローバル化していたので度肝を抜かれました。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
10 months
ホネット『承認をめぐる闘争』曰く、承認とは自他の区別がついて初めて可能になるものだとのこと。つまり、他者を自分の思い通りにならないものと諦め、尊重できたとき、その他者から尊重されてることを感じられるようになるという話。承認欲求を満たすための第一歩が他者への諦めであるという逆説。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
4 years
手越くんの会見、ついつい見てしまう。「夢追い」系の自己実現の言葉が、実は「このままだと失業するのではないか」というリスク不安に駆り立てられている感じがして、現代のキャリアをめぐる辛さをよく言い表してる。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
5 months
エリクソンが、音楽とは人と関係を作るためにも役立つし、人と距離を取るためにも役立つと書いていて唸る。音楽は人々をつなげるものでもあるが、同時に人は音楽の中にひきこもることもできる。一緒にいることと一人になることの両方を、同時に成立させうるところに音楽の治療性があると思った。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
1 month
教育とは本質的に呪いであり、学校を出てからその呪いを解いていくことで、その人の個性が生まれてくる。なので、ちゃんと呪われることに意味があり、呪いをかけるのは教師の仕事でもある。しかし、呪いが強すぎると単なる害悪になるので、「最終的には他人」というクールな距離が不可欠なのだろう。
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東畑 開人 『雨の日の心理学』
4 years
オンラインイベント、最後ブチっと切れるのがさみしいという話をよく聞く。確かにリアルだと「廊下」があって、そこで個人的に延長戦をしたり、余韻を感じたりができた。職場や学校でもそうだ。人間らしいことは大体「廊下」で起きていたのではないか。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
1 month
現代は「さみしい」に強い社会である。しかし、普通に考えて、これだけ砂粒のように人々がバラバラに生きてる社会は「さみしい」に決まってる。それがデフォルト。その上でそれに慣れ、「さみしい」と言わないことを大人の条件として求める社会。「さみしさ」は罪と恥になった社会と言える。
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@ktowhata
東畑 開人 『雨の日の心理学』
6 years
以前、学生が「アイドルに裏切られるとき」という卒論で、裏切られたファンがいかにして自分の「信じること」を再生していくかを書いていたのだけど、逆に言えば宗教が難しい現代人はもはや「ファン」という形でしか自らの宗教性や「信じること」へのニーズを満たせないということなのかもしれない。
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