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下西 風澄 Profile
下西 風澄

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哲学を中心とした執筆。 「生まれ消える心─傷・データ・過去」(『新潮』2023.5)、「演技する精神へ─個・ネット・場」(『文學界』2023.6)、「ぼくは言語」(『群像』2023.8)、 「青空を見つめて死なない」(『ユリイカ』2024.4)他。

東京 文京区
Joined March 2008
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@kazeto
下西 風澄
2 years
初の単著が出ます(12/14発売)。人間にとって「意識/心」とは何だったのか。ソクラテスから認知科学までの長大な、意識の物語を書きました。 下西風澄『生成と消滅の精神史─終わらない心を生きる』(文藝春秋社)
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下西 風澄
4 years
「主語がでかい」というtwitterでよく見る意見。「主語がでかい」のではなく、「述語が粗い」と言ったほうがいいと思っている。哲学だと「世界は」とか「存在は」とか最大級の主語を立てる代わりに、述語をいかに精確に論ずるかを試みて知を発展させてきた。主語の撤退ではなく、述語の洗練を。
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下西 風澄
8 years
「世界中どこの国の若者にも常に受ける物語の骨だけ取り出してみると、こんなものになる」をカート・ヴォネガットが語っていて、読んでみると完全に村上春樹だった。
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下西 風澄
2 years
5億年ぶりにテレビを観るとやはり驚く。すべてが歌舞伎の世界だ。歌もニュースも、すべてが型と見栄切りで、しかもそこに感情を込める。これがジャパンなんだなとしみじみ。内面や思想は封印されたまま、形式を通じたコミュニケーションしか成立しない。
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下西 風澄
9 years
鳥の群れの飛行軌跡が見れる動画。鳥の種類によって全然違う。別様に飛んでいるというより、別の空間を認知して生きているのだろう。 [Illustrate Birds in Motion]
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下西 風澄
4 years
教養というのは、知識がその本質ではなく、歴史や理論体系によって矮小な自己が否定される経験。生まれ持った感覚や、育った環境による慣習や常識、そういう生来の感覚が否定されて自己が変容していく過程こそ教養の本質なので、自分の感覚を強化するための知識は教養とは逆行する。
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下西 風澄
3 years
人文学で鍛えられる能力というのは、与えられたテキストを、正確に読解する(他者の自律性)、解釈する(他者と自己の境界)、応用する(自己の主張)、自己と他者の距離感の測定能力なのだろうと思う。ふつう人はこれをごっちゃにしてしまうので、これは技術なんだろう。
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下西 風澄
2 years
哲学者の著作を丁寧に読んでいくと、その人の思考の手順が徐々に自分の意識をハックし、世界がその人の見方で見えるようになってくる。読む、というの行為はその意味で、自己を一時的に失う危険な行為でもある。
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下西 風澄
11 months
岩波文庫の装丁で一番好きかもしれない。
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下西 風澄
16 days
だからこそ村上春樹は「 夜中の3時に寝静まった台所の冷蔵庫を漁るような人間には、それだけの文章しか書くことはできない。 そして、それが僕だ」(『風の歌を聴け』)という地点から文学をはじめた。
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下西 風澄
9 years
幼年期のウィトゲンシュタイン。面影がありすぎるし、賢そうすぎて笑ってしまった。赤ちゃんの頃から、すでに哲学者の顔してる。
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下西 風澄
16 days
村上春樹を云々というのが話題だけど、ほとんど文学や批評を読み込んでいないと思われるような人々の印象論という感じなのであまり中身は気にしないが、これが世の印象を形成するのもまた事実。「批評」が消え「感想」「考察」だけが流通する時代の作品たちはどう生きていくか。
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@kazeto
下西 風澄
16 days
そして村上春樹が世界で受容されていることから、グローバルな思想と課題なのは明らか。これはヴォネガットがヘッセについて述べた見解だが、ホロコース以後の人間の生について書かれたテクストで、人類の深い問題と関連している。
@kazeto
下西 風澄
8 years
「世界中どこの国の若者にも常に受ける物語の骨だけ取り出してみると、こんなものになる」をカート・ヴォネガットが語っていて、読んでみると完全に村上春樹だった。
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下西 風澄
15 days
本当の意味で文学や芸術、人文学が衰退していくというのは、単に作品や本が売れなくなるということではなく、すべてが「友か敵か」という政治のロジックに回収されていくことなんだろうな。
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下西 風澄
2 years
ハイデガーが虫たちは「光のなかに墜落する」とか「呪縛されて存在する」と言っていたのはやはり直観に優れているというか言語的なセンスがあったというか。
@NazologyInfo
ナゾロジー@科学ニュースメディア
2 years
実は未解決問題「虫が光に引き寄せられる理由」がついに判明! 英ICLは長年の謎だった虫が光の周りに集まる本当の仕組みを明らかにしたと発表。研究によると虫たちは光に近づいているわけではなく、上下感覚喪失により光の周りに閉じ込められていただけだという
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@kazeto
下西 風澄
4 months
物書きのコツは日記をつけることというポストが流れてきて思ったけど、自分の実感が強い人は理論的な本を読んで構造的に書くこと、知識量が多く理論書を読む人は日記のようなものを、というのが僕のオススメかもしれない。自分の傾向と離れたものを摂取すると、交わるところに面白さが出る。
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下西 風澄
3 months
馬喰町駅の地下道、壁が腐食して凄いことになってたけどかっこいいから改修せずそのままにしておいて欲しい。
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@kazeto
下西 風澄
4 years
危険な思想を持った哲学者は多くいるが、やはりプラトンが断トツだな。くじ引きで結婚を決める制度を作るが、実際は裏で操作するという発想がヤバイ。(ラッセル『西洋哲学史』)
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@kazeto
下西 風澄
1 year
話題になってた村上春樹の記事を読んだ。作家が「分からない」とか「理由はない」と答えることが、「回答」ではないと思う人が文学を読むんだな。「解説、説明...手順の解明」だなんて。読書はサービスの消費ではない。読むという創造的な行為を自ら手放している。
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@kazeto
下西 風澄
4 months
人文系の仕事の本質は、言葉というものの魔術性に真剣に向き合って取り組むことにあると思っている。人間が言葉によって苦しみ、言葉によって救われる生き物である限り。それは毒を喰らいながら解毒し続ける人体実験のような作業でもある。
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下西 風澄
4 months
エコーチェンバーはSNSの特性だと思われているが、それ以前におそらくは脳そのものの特性だと考えた方がいい。人間は古来より、不快な現実よりも、希望ある幻想を好む。
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@kazeto
下西 風澄
4 years
だから教養というのは、知的能力よりもむしろ、そういう自己変容に耐えられる、精神の強さや心のゆとりに大いにに関係する。これはリベラルと保守の関係を考える上でも重要で、自己の信念を強化してくれる陰謀論は知的能力より感情や自我の未成熟の問題であって、知的に反論しても意味がない。
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下西 風澄
2 years
日本に思想がないのは、法や理念によってではなく、電車の時間を守るとか、挨拶や敬語が大事とか、ミクロなルールを守ることで秩序を維持するということをみんなが暗黙に理解してるからだろうな。マクロなルールは、危機以外は必要ない。現状維持には有効で、変革には不利。
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@kazeto
下西 風澄
8 years
要約すると、孤独な男が旅をして、金はないが知性はあって、精神の安らぎを求めている。女にモテてセックスをするが、情熱は持てずに結婚もしない。しかし世界は美しく、魔法にかけられている。それが世界で受ける物語のフォーマットだという。
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@kazeto
下西 風澄
2 years
カルト宗教で狂った母と、親米保守の元首相の悲劇的交差、という徐々に明らかになってきた事実によって、事件は単なるテロや右左の思想的問題を超えて、「家族」をめぐる近代化と戦後日本の問題の縮図のような意味を持ったかもしれない。
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@kazeto
下西 風澄
4 years
教養はその意味で自己肯定感を前提として成立する。自己肯定感がない状態で知識に触れると、とても自己否定する知には耐えられず、自己を肯定してくれる知識に吸い込まれる。「階級」や「分断」はこうした精神と環境から生まれるのであって、知的能力や経済力だけを基準にしては捉えられない。
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@kazeto
下西 風澄
16 days
解説されている見解に同感です。村上春樹は『ノルウェイの森』も「犠牲者たち(カジュアルティーズ)」の話だと言っている。casualty(死傷者)、死んでいった、あるいは失われていった者たちの物語。そしてその舞台は戦後アメリカ化するこの国のアイロニカルな悲哀。
@naoya_fujita
藤田直哉@『現代ネット政治=文化論』7月刊行
16 days
村上春樹の、特に初期作品が描く、「お洒落」で「サブカル」に満ちていて、気軽にセックスして、人と人は心が通じていないあの世界観や文体などが、「肯定的なもの」として描かれていたり読まれたりしているんだろうか。ぼくは、そうは読まないな。
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@kazeto
下西 風澄
9 months
つまるところ、人間にとっての世界の半分は幻想(物語/想像力)で出来ていて、この領土のために、文学、哲学、思想、芸術など人文的なものがある。この土地が痩せると、世界は単なる現実に飲み込まれる。人文的なものは現実とは違うやり方で、別の世界を考え創る必要がある。
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下西 風澄
1 year
小説は心の余裕を生んでくれるが、心の余裕がないと小説は読めない。
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下西 風澄
8 years
昔から思っているけど、日本こそ「道徳」じゃなくて「哲学」を教えるべきだと思うな。世間が慣習的な道徳にあふれているのだから、教育するなら、そうした道徳を相対化する哲学を学んでこそ、その道徳の意義を理解することができる。慣れ親しんでいることと、理解することは全く違う。
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@kazeto
下西 風澄
8 years
知は、決断ではない。知は、疑いであり、躊躇いなのだ。知とは足早に歩くことではなく、足踏みして苦しむことなのだ。
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下西 風澄
8 years
なぜ、こうしたフォーマットが共感を呼ぶのか。村上春樹に限っていえば、都市的で匿名的な消費文化へと世界が以降しつつあることもある。しかしヴォネガットは、フォーマットの象徴をヘルマン・ヘッセに見ていて、ここにはドイツのホロコーストからの逃避があると見る。今僕たちはどこへ逃避するのか。
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下西 風澄
4 months
「倫理」が高まる社会というのは、個人に「罪」を感じさせる社会でもある。しかし、罪の感情は想像以上に人間の精神を蝕んで支配する。そしてこの罪悪感に免罪符を与える者が権力を手にいれ、受け入れた者は依存する。これはキリスト教が世界を支配した根幹の戦略でもある。
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@kazeto
下西 風澄
1 year
宮崎駿の漫画史をポロッと語った言葉。要約力がすごいな。 「高度成長経済での過剰なストレスの捌け口として、マンガが最適だった。「アトム」で近代化に憧れ、「巨人の星」で根性を発揮し、はみ出た部分は「ガロ」で救済したのである。」(宮崎駿『出発点』)
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@kazeto
下西 風澄
1 year
人間の不幸のほとんどは、制御できないものを制御できると思い込んでしまうことにあるのではないか。仏教がとにかく執着を捨てよと言うのは、自我や欲望そのものじゃなく制御の幻想を捨てることだろう。
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@kazeto
下西 風澄
2 years
AIにクオリアについて聞いたら死んだ。
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@kazeto
下西 風澄
16 days
当たり前のことだが、この世界には様々な欲望を抱えた様々な人間がいる。ある表現によって救われる人もいれば傷つく人もいる。この矛盾や複雑さを前提にしない全ての言説は、知性を自ら放棄している。
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@kazeto
下西 風澄
1 year
人文知は究極的にはプライベートな手紙やメモでも、歴史において参照され続ければそれが正しくても間違っていても知になる。科学知は誰もが検証できる形で公開されコミュニティに検証されて真偽のコードをクリアして知になる。このごく基本的な性質の理解はもっと認識されるべきだと思う。
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@kazeto
下西 風澄
3 years
逆に言えば、人文系の訓練を受けた人間は、絶えず過剰に自己と他者の距離を測り続けるから、これは一種の病でもある。ふつう人はもっと漠然と他者と接し、曖昧に関わる。
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@kazeto
下西 風澄
15 days
作品や思想には、当然ながら良いところもあれば問題のあるところもある。しかし今、肯定か否定の二者択一しか見えなくなってきている。それはつまり、文学や芸術、思想などが「友か敵か」という政治のロジックに回収されているということ。
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下西 風澄
13 years
自分を信じることができない時は、自分を信じてくれる人を信じてみる。
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@kazeto
下西 風澄
3 years
いったい何がロシア(プーチン)をここまでの狂気に駆り立てるのか、と想像していて、なかなか衝撃的なデータを見つけた。ロシアのここ半世紀の平均余命は、西欧諸国に比べてこれほど低くなっていたのか。90年代〜2000年代前半は、平均余命50代後半。
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@kazeto
下西 風澄
1 year
人間はたくさんの幻想や夢や勘違いや妄想によって生きている。知性や論理によって、それを一枚ずつ剥ぎ取ることはできるかもしれないが、それらを剥ぎ取った後にいったいなにが残るのだろうかということは、考えておかなければならない。
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@kazeto
下西 風澄
1 year
科学知というのが「共同体の知」だということがあまり認識されていないのではないか。ある意味では人文知が(究極的には)個人の知であるのと違い、科学者「個人」の知は「科学的には」あまり意味がない。個人ではいくらでも何か言う人はいるが、それは科学者コミュニティの検証を経て科学知になる。
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@kazeto
下西 風澄
2 years
学ぶということは、自分で考え思考することだと思いがちだが、実際は"いったん"自分の考えを捨てることだ。自分の慣れ親しんだ思考を、体系や著者にハックさせ、別のモードへと変わること。自己へ吸収することではなく、自己を失い他者へ委ねることが学びの始まりになければ何も変わらない。
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@kazeto
下西 風澄
3 months
人間は精神に余裕があるときにはじめて、前提や仮説を疑ったりする批判的思考ができる。心が知性や思考の母体であって、その逆ではない。
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@kazeto
下西 風澄
1 year
僕は文学とか芸術の素晴らしいところは、どのような普遍化もされなかったプライベートな出来事や言葉が、歴史のなかで掬いだされて、共有や同意とは別のかたちで普遍化されていく力を持っていることだと思います。
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@kazeto
下西 風澄
5 years
カント、厳しすぎる。
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@kazeto
下西 風澄
5 years
人間には誰しも「巫女」の部分があり、自分の意志とは無関係に、触れたものから情報をキャッチしてしまい、時に自我がハックされてしまうから、注意しなければならない。インターネットは巫女を量産する技術。オンラインである限り、僕たちは誰でも巫女になりうる。
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@kazeto
下西 風澄
2 years
人には流暢に話さなければならない状況がある。たとえば政治家や教師など多いかもしれない。ChatGPTなどで起こるhallucination(嘘をつく)はそれに似ていると思うことがある。とかく話すことが求められる場合、言語は真偽にかまわず空白を埋めることを優先する。
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@kazeto
下西 風澄
10 months
今のお笑いと現代美術は似ている。大喜利力、傾向と対策、ナラティブの効果、キャッチーと狂気のバランス、インタラクションの距離感…。しかし逆に言えば現代美術の潜在的な需要をお笑いに取られているとも言える。これは超越性なき祝祭をどう作るかという日本の深い問題にも思える。
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@kazeto
下西 風澄
28 days
言葉によって人は変わらない。経験だけが人に新しい何かを理解させる。しかし言葉だけがその経験に意味を与える。
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@kazeto
下西 風澄
9 years
マグリット展。美術館の外へ出ると、現実もマグリットだった。 http://t.co/M5iPOykvDP
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@kazeto
下西 風澄
4 years
オンライン講義の難しいところは「本質しか」伝えられないことだと分かった。表情とか空間背景とか、雑音とか、現実では、いかに非本質的なものが本質を本質たらしめてるかを実感した。意味は、まわりに漂う無意味に支えられている。
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@kazeto
下西 風澄
2 years
理解できない他者を見たとき、まぁ理解できなくてもいいんだけど、とりあえず「人生それぞれいろいろあるよね」という理解不可能性の前提から出発するのが倫理の基本だと思う。なんらかの規範を当てて批判するのはその後。
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@kazeto
下西 風澄
1 year
この世界や人生が、そんなにも説明可能なんだとしたら、なんのために芸術が存在するんだ。
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@kazeto
下西 風澄
3 months
本を書くということは、自分にとって大切なことを自分から切り離し、世界に明け渡すということなのだと思った。すべての制作行為というのはそういうものかもしれない。
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@kazeto
下西 風澄
2 years
カフェで隣の人が資格の勉強をしている。日々、答えのない問いばかり考えていると、正解のある問題を解きたくなることがある。僕は受験勉強が嫌いだったけど、あれは思考して問題を解くという快楽を覚えさせるひとつの練習だったのかもしれない。
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@kazeto
下西 風澄
16 days
批評の衰退には様々な要因がある。ただ本質的な問題は、価値判断が即効的になること。小説も映画でも、出た翌日にはSNSに感想が溢れて共感か反発の渦に強制的に巻き込まれる。「雑誌」という紙によるパブリッシュ(公共化)の「時差」のなかで、自分でじっくり考える時間が消失してしまった。
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@kazeto
下西 風澄
1 year
村上春樹が英語が堪能に喋れるか、なんていう心の底からどうでもいいことをなぜ気にするのか。勝手に幻想を押し付け、自分が「綺麗な子」として作品に書かれるかも、友人や弟子になるかも、なんて綴る自意識の塊のような文章を書くような人に読まれることこそ不幸だと思った。
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@kazeto
下西 風澄
5 months
人工生命研究者の池上高志さんとの対談記事(第一回)が公開されました。ChatGPTや意識・生命について、おもしろい話ができたと思うので、ぜひ。 【AIとALIFEをめぐって #1 池上高志/下西風澄】
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@kazeto
下西 風澄
8 years
芸術における政治性を拒否する精神が危険なのは、歴史への無知と忘却よりもむしろ、非政治性を装った政治的なものに簡単に無自覚のうちに流されるということだ。実際、近年の日本では一見して非政治的に見える消費文化こそが最大の政治的勝利だった。
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@kazeto
下西 風澄
4 months
都市のなかにも、ふと教会のようだと思う光がある。
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@kazeto
下西 風澄
9 months
今の時代、価値観の対立は、意見そのものの中にはない。それよりその人がどういう現実を見ているか、ということの方がはるかに大きい。何を言ってるかではなく、どこから言っているか、を見たほうがいい。
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@kazeto
下西 風澄
5 years
どうしても心配だから、東京から帰省しろと言う親のお願いを断ると、「車で九州から迎えに」などと言い始めたので返したLINE。普通に書いて送っていたけど、帰省要求に対するテンプレに使えそうだ。
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@kazeto
下西 風澄
5 years
日本は戦争の経験を反省し、成長したのではなく、単に経済的繁栄によって、それを忘却し、先送りすることが許されただけであったとすれば、僕たちに「倫理や文化のようなもの」を許容していた経済が衰退すれば、いつでも前近代的なものが復活してくるだろうことは、必然の事態だろう。
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@kazeto
下西 風澄
4 months
ダニエル・デネットの本を読んでいたら、自分で自分の論文を褒めながら参照してて笑ってしまった。これくらいのメンタルでいきたい。
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@kazeto
下西 風澄
7 years
5月1日、この半年ほど書いていた絵本が、福音館書店から出版されることになりました! 『10才のころ、ぼくは考えた』という絵本です。はじめましての経験で苦労もありましたが、一生懸命書きました。昨日、見本が届いたところですが、詳細出たら告知します。ぜひお楽しみにして頂けたら嬉しいです。
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@kazeto
下西 風澄
4 months
思想というのは良くも悪くも魔術性がある。魔を自覚する者は魔術師になり、無自覚なものは魔物になる。
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@kazeto
下西 風澄
4 years
植物学者のステファノ・マンクーゾは、コロナによるロックダウンは人間を「植物」のように振る舞わせたという。自宅という局所に意識を集中すること、有限な資源を利用すること、移動しない故に情報通信量をあげること。なるほどと思った。
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@kazeto
下西 風澄
9 months
東京があってよかった。人間を誰でもない者にする都市。名前のある繋がりも大切だけど、人には孤独で匿名的に生きることができる場所も必要だ。
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@kazeto
下西 風澄
5 years
最近分かってきたことは、ネットで僕たちが「読んでいる」もののほとんどは、実は「声」なのであって、読んでいるのではなく「聴いている」のだということ。そして、話し言葉だけで賢くなるのは、かなり難しい。
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@kazeto
下西 風澄
1 year
太陽の塔。一人の芸術家が、時代の趨勢のなかで、その上昇気流を全て引き受けながらも同時にそこに抗い、国家的プロジェクトに対してこういうものを芸術として打ちたてたのは、やはり凄いことだ。
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@kazeto
下西 風澄
9 months
ほとんどの人間は「意見」というものを自分で持てるほど強くはないし、関心もないと思っている。twitterは意見に溢れているが、多くの人はもっとなんとなく生きている。
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@kazeto
下西 風澄
8 months
人は心が弱くなると愚かなことをしてしまう。愚かなことに厳しい社会は、人間の弱さを許容しなくなる。あなたが愚かでないのは、たまたま今この時に恵まれて強い心を持っているだけかもしれないのだから。
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@kazeto
下西 風澄
5 years
激しくて強い言葉は拡散し、繊細で弱い言葉は消えていく。単純な思考は広がり、複雑な思考は消えていく。繊細な言葉、複雑な思考でありながら、消えずに残っていくのが文学や哲学の力。
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@kazeto
下西 風澄
5 years
1944年にユダヤ家系に生まれたボルタンスキーは、親がナチスの排撃をダイレクトに受けるが、本人は終戦後、その記憶だけが家庭を通じて残る。実体験でなく継承された記憶が故に、亡霊のように曖昧に何度も蘇る。家族を経由した「隔世のトラウマ」とでも言うべき傷は、日本の戦争体験にも通じると思う。
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@kazeto
下西 風澄
7 months
人はたまに自分の頭を空っぽにする時間が必要だ。仏教は修行による自力で、キリスト教は神への恍惚で、資本主義はギャンブル的興奮で、生物はセックス的快楽で。ゆるやかな空っぽとして、テレビやスポーツ、労働や消費がある。そうして止むことのない意識や自我をメンテナンスしないと生きていけない。
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@kazeto
下西 風澄
9 months
「シェアしたい」という欲望は人間にとって根源的なのかもしれない。感情を、情報を、思い出を、ご飯を、誰かとシェアしたい。カントの美学(主観的なのに普遍性を要求する��が美だ)は、シェアの快楽と言い換えられるだろうか。
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@kazeto
下西 風澄
5 years
年明けの講義のため、今年の正月は万葉集を読んでいたのだけど、なかなかいい一首を見つけた。古代にもこういう奴がいたんだな。
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@kazeto
下西 風澄
3 years
日本人は、真・善・美のバランスが悪くて、善ばかりを重視する気がするな。真理とか美しいものへの価値が低く、三つ巴にならない。
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@kazeto
下西 風澄
5 years
「反省を反省」や「募集を募る」に続いて「自粛の違反」か。社会がきしむ時は、まず言葉がきしみだす。なぜなら社会という規範は言語秩序によって成立しているから。
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@kazeto
下西 風澄
9 months
なぜ人は、まったくディテールを知らないはずの他者のプライベートや内面の心についてものを言うのか。目に見えない複雑さこそ人生だと考える人と、目に見える構造こそ人生だと考える人がいるのかもしれない。
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@kazeto
下西 風澄
8 months
誰もが矛盾を抱えている。世界がこれだけ複雑なのに、その中に生きる自己だけが一貫しているなんてことはあり得ない。無矛盾な一貫性は理念や言葉の中にしかない。
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@kazeto
下西 風澄
6 years
研究者の痛ましい事件があって悲しい。本質は経済的問題のみじゃなく、「研究」からの疎外感のような気もする。大学という制度において研究するのが研究だという感覚。歴史を見れば学者なんてほとんどアウトサイダーだという感覚が僕はあるのだけど、そういう人はやはり少ないのだろうな。
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@kazeto
下西 風澄
8 months
政治哲学的にも僕はローティの「リベラル・アイロニスト」の立場に共感する。自分が最も重要だと思う正しささえ、偶然的かもしれないと受け入れながら、それでもそれを肯定する道を探していく。この矛盾に耐える知的勇気。いま、アイロニーが消えつつある世界で重要。
@kazeto
下西 風澄
4 years
正しさを必然的本質だと考える「リベラリスト」と、それは歴史的な偶然にすぎないと考える「アイロニスト」に分断されると、ローティが1989年(『偶然性・連帯・アイロニー』)に予言した世界が到来している。
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@kazeto
下西 風澄
4 years
「針鉄鉱/ゲータイト(goethite)」。地質学の研究もしていたゲーテ(Goethe)にちなんで名付けられた石。ゲーテは生涯に1万9000点もの石を収集していたらしく、ゲータイトはゲーテと親交のあった鉱物学者らが名付けたようだ。こんな石を見ていたら、石も生命的で生成的なものとして捉えただろうな。
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@kazeto
下西 風澄
5 years
ほとんどの人間は、悲しきかな経済原理で行動している。むろんお金という意味ではない。自分が、時間や努力、想い、知識など、投資してきたものを、回収したいと(報われたいと)願うのだ。この業のような経済合理性から抜け出すのはかなり難しい。人生が報われないことは容易には受け入れがたいから。
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@kazeto
下西 風澄
2 months
いま人々は、許しよりも裁きに傾いているように思える。私たちが許すのが罪なき者だけなら、それはただの正当な裁きにすぎない。罪があるにもかかわらず許す、という態度が消えつつある。すべてを白と黒に分離する世界は息苦しくなる。
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@kazeto
下西 風澄
3 years
森も生きているように見える。人間の観念は、意外と速度やスケールみたいな知覚の条件に制約されていますね。
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@kazeto
下西 風澄
8 years
ちなみに、日本の教育の一番の問題は「国語」だと思うな。みんなで小説を読んで感想言ったりしてもしょうがないだろう。感想や感動は個人的なものだから、思考能力とか学習能力の向上が目的ならば、批評的読解とか歴史的背景とか、理解のための「道具」を教えるべきだろうと思う。
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@kazeto
下西 風澄
1 year
言語には魔術性がある。一見すると一つの言葉は一つの意味を持つようでありながら、一つ言葉を思い浮かべると無数の連環する意味とイメージを生成する。この魔法の泉のような特性が、良くも悪くも言語の力だと僕は実感する。
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@kazeto
下西 風澄
9 months
人間に不幸な感情をもたらすのは「mind-wandering」(気が散って彷徨っている)の時間だという研究があったな。目標が定まった情報処理としての脳ではなく、答えのないミクロで絶え間ない意思決定を行う心の疲れと関係しそうだ。
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@kazeto
下西 風澄
8 months
そういう意味において、エロや変態性みたいなものを排除するのはよくない。エロのなかには、醜いものを美に、不快なものを快楽に、逆転させる力がある。規範からの逸脱、倒錯を、肯定する場所がなくなると、僕たちは常に規範に緊張して生きなければならなくなる。
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@kazeto
下西 風澄
5 months
「いいね(Like)」が消える。イーロン・マスクはとにかく「人間的」なものを排除しようとしているように思える。「tweet(つぶやき)」を「X」という匿名的記号に変えたのも必然だったんだろう。人間の集まりを繋ぐメディアから、アルゴリズムのデータ生成器となる人間。
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@kazeto
下西 風澄
4 months
言葉は世界を透明で見やすいものに整理すると思っている人が多い。それは一面では正しいが、言葉は世界を整頓するのと同じくらい、世界を不透明で混沌へと惑わすものでもある。
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@kazeto
下西 風澄
1 year
やってみないと分からないことはある。というよりも、やっている最中にはほとんど分からない。それが終わった直後なのか、1年後なのか10年後なのか、ともかくふと振り返ったときに初めて自分の行為が理解できる。意味はいつも後から到来する。だから未来のことにあまり意味を求めすぎてはいけない。
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@kazeto
下西 風澄
10 months
誰もが必死に意味を求めている。こんなにも過剰な記号と情報と物語にあふれる世界で、自分にとってだけの意味が見つからないのだ。
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