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市堀玉宗 Profile
市堀玉宗

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殆ど、俳句しかツイートしませんが、偶に、コメントのやり取りをしています。好きな言葉「諸行無常」どうぞ、よろしく。合掌

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市堀玉宗
1 year
子猫の次は小鳥。庫裏の窓下にじっとして動かない鳥。近づいても飛び立とうとしない。よく見ると嘴の辺りがめくれている?野鳥保護なんとか病院に指定されている動物病院に聞いてみた。窓にあたって脳振盪を起こしている可能性もある。処方をして空へ帰してやるという。因みに無料だった。\ (^o^)/
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市堀玉宗
1 year
檀家20軒そこそこ。年に一度葬式があるかないか。人並以上の生活をするつもりもない。貧に学ぶことを潔しとするのが仏道と心得ているつもり。なにもかも托鉢の精神で押し通すつもりでいる。仏道で野垂れ死にしてやろうと思っている次第。お坊さん、宗教、いらない社会。上等じゃないか。
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市堀玉宗
17 days
生きる いのちありのままに 今を越える 一歩一歩のかけがえのなさ 道はあきらめたところで道ではなくなる
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市堀玉宗
1 month
「被災地」 海退り山崩れ能登秋深み 半島の雲の速さよ雁渡る 被災地へどすんと届く今年米 鳳仙花声を掛け合ふ人のゐて 芒穂にこころならずも相別れ 肩の荷を下ろせと止まる蜻蛉かな 栗飯の湯気ゆたかなる忌日かな わが庵は鬼の捨子も着古しで 明日知れぬ火宅の灯鉦叩 被災地の夜や凄まじき月明り
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市堀玉宗
3 months
「遺されて」 朝顔や嘗て家族のありにけり 墓洗ふいつかひとりとなる二人 梅雨青く花や実となる里の山 遺されてひとり草引くばかりなり 紫蘇を揉む今なき母のせしやうに 蝉時雨しぐれしぐれて二人きり 稲の香に咽ぶ故郷に遺族たり ふたりならやり直せるさ月見草 ダリア剪る洗ひ晒しのゆふべかな
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市堀玉宗
1 year
ブッダは比丘たちに言いました。 「鳥たちはどこに行くにしても、自分の翼だけをもっていく。何も荷物はない。しかし、どこにいても完璧である。だから比丘たちも三衣一鉢だけでいいのだよ」 何ももたない生き方は、どこにいても自由で、何も欠けることがないのです。 「雲の心風の心や更衣 玉宗」
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市堀玉宗
2 years
孫と遊ぶとボケ防止の効果があると娘に言われたじゃ。(´;ω;`)
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市堀玉宗
2 years
1人の行持であって1人ではない。「同行二人」という「行持」の豊かさ、深さの中で仏道を歩んでいる。それは意識しようがしまいが、実にそうなのである。負け惜しみと取られてもいいが、数の多いことなど大して自慢になることでもないと私は思っている。
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市堀玉宗
2 years
※地域限定告知 3月13日(月) 午前10時半より涅槃会を修行致します。今年は3年ぶりに涅槃団子を堂内に撒きます。おさそい合わせの上、お参りください。合掌             輪島市門前町 法輪山興禅寺
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市堀玉宗
3 months
「生死」 生きながら眼冷えゆく秋初め 初風や命吹かるゝ蜘蛛の糸 太陽に死の翳りあり溽暑なる 瘡蓋の疼く原爆投下の日 雲の峰一閃にしてみな焦土 八月六日いつものやうに家を出て 朝顔やみな美しく油断して 空蝉やゆきて帰らぬものばかり 昭和なる戦中戦後蝉時雨 今も尚続く戦前蜩の鳴く
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市堀玉宗
4 months
「軒端」 笹を吹く風にも梅雨の重きこと 遠ざかる星を軒端に祀りけり 梢吹く風を見てゐる昼寝覚 だれも待つとなけれど軒に釣忍 風になる鈴の音にもうれしさよ 願ひごと少なくなりし湯帷子 噎せかへる草の息する帰省かな 濯ぎたる水の行方や夜の底
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市堀玉宗
3 months
「諦めず」 諦めず生きよと風が南より 先立ちて夏も終りの蜻蛉かな 甘く遥かな雨のにほひや青蛙 生前も死後も幻水を打つ 向日葵の見てゐる終末かもしれず でゝ虫の急ぐ最後の晩餐へ 蝙蝠が夕空引つ掻き回すかな 頭陀袋さすがに西瓜入らざる 端居せり命からがら生きて来て 人の世を遥かに星の涼しさよ
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市堀玉宗
1 year
「の中」 押入の中はでたらめ梅雨明けぬ 抽斗の中は懐かし土用入り 靴箱の中はなんだか晩夏光 世の中はときどき辛い冷し酒 仏壇の中まで夕焼けしてをりぬ 新茶淹れ探りを入れし腹の中 死後のこと語り合うてや蚊帳の中 米櫃の中より生まれ出づる虫 群衆の中の侘しさ雲の峰 寝そびれし森の中より青葉木菟
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市堀玉宗
3 months
夥しき祈りの声や能登晩夏 空蝉の縋るとも又祈るとも 七月も果てなる海のしづけさよ 遺されしものの虚ろや蝉の殻 生ぬるき木槿咲き継ぐ日なりけり 帰省子の大きな靴と鞄かな 日傘して借りを返しにゆくところ かなかなや消え入りさうでならぬなり 夕菅や峠に小さきバス乗り場 六道の辻さながらや夕涼み
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市堀玉宗
1 month
「夢」 秋もはや彼岸の頃となり��けり 正夢か逆夢か彼岸花ぞ咲く 震災をながらへ秋を耕せり 風の秋追ひ越されしかすれ違ひしか 天高く人に遅れることをして 夢を見し肉のひだるさ秋簾 堰落つる音にも秋の深みかも 新米を担ぐに肩を貸せといふ 夢を追ひ現に追はれ龍淵に 誰待つとなけれど月のいざよへり
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市堀玉宗
1 month
ふるさとの露の甘さを夢見たる 橡の実晒す遠き山より水引いて 山彦にほろほろ落つる零余子かな 死者生者どれもおもかげ露けくも 銀杏の実礫をなして風に落つ 色のなき風にぶたれし破芭蕉 稲雀潮をなして逃げ回る 放蕩のうら淋しさよいぼむしり 朝に夕に深空冷えゆく初紅葉 榾木朽ち卒塔婆傾く雁のころ
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市堀玉宗
3 months
「ば」 蹴飛ばせば煙り吐き出す梅雨茸 鬼ばばが引き抜いてゆく夜店の子 目隠しをすれば逃げ出す西瓜かな 先を行けば後ろで嗤ふ蝸牛 天罰とおもへば泣ける毛虫かな 海亀の去りにし浜と聞くばかり 蝙蝠のばさばさ来たるゆふまぐれ 端居してことば足らずを悔ゆるなり 火取蛾のばさりと止まる夜の窓
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市堀玉宗
25 days
「光陰」 田の隅に解きし稲架木の積み置かれ 且つ散りて光陰容赦なかりけり 曼殊沙華火の色をしてうら淋し 木の実草の実食ひ散らかして穴に入る 露けしや路頭に迷ふ能登の民 新米を担ぐ馬力も懐かしき 暮れ残るうす暗がりに蕎麦の花 早よ米を研げよ釣瓶の落ちぬ間に 泣き虫子虫鬼の捨て子ももう寝たか
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市堀玉宗
2 months
「葉月」 朝まだき枕に残る月の冷 蜘蛛の囲も風に吹かるゝ葉月かな コスモスのふはふは怒る気になれず 失ひし友の数ほどひろふ団栗 蝶の翅担いで穴へ入るところ 墨染の袖吹く風も秋湿り 鰯雲遺されたるか遺せしか 国難の始まつてゐる草の秋 山寺を吹き残したる野分かな 震災を永らへ灯下親しめる
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市堀玉宗
2 years
信じられんかもしれんが、輪島に伝わる「涅槃団子」じゃ。わしも作れるよ。いずれ世界文化遺産に、ならんか?! ( ´艸`)
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市堀玉宗
1 year
「海と私」 夢から目覚めたやうに しづかな海を見てゐた 生きねばならないもののやうに きれいな風に吹かれて 人生のすべてが いつの間にあんなに遠い海原 あれは取り返しがつかない 生きてしまった私の沖 なにもかもがまぼろし なにもかもがほんと 海は 生きることの虚しさのやうに美しい
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市堀玉宗
1 year
「話」 五月雨やダム湖に沈む悲話いくつ すててこや金の逸話に事欠かず 仔猫とも話ができる嫁なりし 立ち話もなんですからと水を打つ 親や子を捨てしも実話河鹿鳴く 虹懸かる噂話に花が咲き 羽抜鶏痴話喧嘩なる成れの果て この辺り民話の里や合歓の花 遠ざかる星の神話や正覚坊
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市堀玉宗
1 year
「一人」 夕顔の熟睡児ほどの実なりけり 平凡の打たれ強さよ藪枯らし 秋簾ここにも一人拗ね者が 行きは牛帰りは馬の茄子かな 不束な男がこぼす萩の露 奥能登のとある田舎の案山子かな 風神の掻き分けてゆく稲穂波 秋ひとり一人淋しも風となり 二人ゐて一つの灯火親しめり 乳の香の赤子眠るよ星流れ
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市堀玉宗
12 days
赤き実の秋やたのしも秋やさびしも もみづるや外より寒き家の中 光陰の覚束なさや露けくも 蛤になりし雀やチュと鳴きぬ 後悔の押し寄す秋のゆふまぐれ 腹空かせものを思はせ逝く秋ぞ 秋風や鼻垂れ小僧今もなほ 戸を叩く夕風夜風きりたんぽ 蓑虫の寝返りしてや月にゆれ 終ひ湯の妻の音せり十三夜
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市堀玉宗
2 months
「浦」 能登素秋風向き変はる鴨が浦 海猫の帰りし浜や光り浦 北前の浦とし今に蕎麦の花 傾れ咲く戸浦七浦胡麻の花 虎杖の花には鹹き浦の風 木ノ浦の霞の奥や荻の声 浦渡る月の回廊葛の花 能登沖のこれよりふさぐ浦祭 海桐散る輪島外浦風の町
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市堀玉宗
16 days
露けしやいい年をしてしまひけり 拳骨の音して落つる榠樝の実 火を噴きし山とも見えず蕎麦の花 椿の実頑なにして艶めきぬ 紅葉晴れ結んでで開く赤子の手 淋しくはないぞ継子の尻ぬぐひ 栗飯を仏の母へ先づ供へ 木犀の見たこともなき香なりけり 草滑る音のみ残し蛇穴に 耳鳴りがしてゐたんだね夜や長し
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市堀玉宗
2 years
それはまた、儚い命である人間同士への寄り添いによってこそ獲得できるもの。人はひとりでは輝きません。人や自然の中にいることで照らし合う存在。私が私として生き、死ぬ、それだけのことに惜しみない天の采配がある。原郷の風景がある。思えば不思議なことだ。今、ここを大事に。合掌
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市堀玉宗
1 year
「月」 人生は足から冷ゆる芒かな 喰うて寝て大名気分葉月なる 天高く妻が二の腕眩しめり 月見草月を待たずに寝てしまふ 秋の夜ものを小さくたゝみをり 夕月に蠢く烏瓜の花 猿酒に溺れてゐたる月の蟻 ひんやりと月の褥に眠るかな 月に風鬼の捨て子の嘯くも 見えてゐる月の遠くてならぬなり
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市堀玉宗
1 year
「地」 豆稲架や一向念仏終焉地 貌を手で撫づれば紅葉冷かとも ポケットの小銭まさぐる寒露かな 秋深く現の証拠や実をこぼし 總持寺の寺領に老いて籾を摺る 火伏なる松とし伝へ手入れせし 火を恋ふは人恋ふに似てじれつたし 柿簾平家流罪の地なりけり 裏庭に一人薪割る秋の暮 浦かけて天領地なる紅葉蛸
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市堀玉宗
11 days
「故山」 初ものの大根を持つて来たといふ 神等去出の風吹きすさぶ刈田かな 山寺の鐘の音聞こゆ木守柿 芋の露ふるさと老いてゆくばかり つはぶきの点けつ放しの黄なりけり 惜しみなく零余子こぼるゝ故山かな ポケットの中は手探り鳥渡る 終日上る籾殻焼く煙り 子の衣畳んでゐたる夜長妻
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市堀玉宗
2 months
「駅」 秋湿る駅に降り立つ帰郷かな 秋風や夢色違え色褪せて 海と空といづれ眩しき青蜜柑 雲とゆく同行二人秋遍路 信濃へと山深くして秋澄める 親不知子不知月の波砕け これよりの根雪の里や蕎麦の花 能登暮秋色なき風のすさびかな 先ず仰ぐ降り立つ駅の天の川 旅終る深山苧環実を零し
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市堀玉宗
24 days
「日和」 二人して稲扱く夫婦日和かな 土手南瓜だれも相手にしてくれず 鹿が来て尻をどついて去りにけり 股引の恋しきうすら寒さかな 留守居してそぞろに寒き日なりけり 役終へし案山子担いでゆくところ 賜れる北國日和小豆稲架 少し老いて紅葉狩りより戻りけり 野分来と母は物置父は酒場へ
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市堀玉宗
1 year
「いのちひとつ」 露けしやいのちひとつによりそふも 秋蝶の睦み合ひつゝ中空へ 茗荷の子茗荷の森の奥深く 暇乞ふ顔して来たるいぼむしり 境内をゆけば近道秋の暮 あり合はせですまない酒と夜食かな
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市堀玉宗
23 days
「子」 被災して銀河の夜へ投げ出され 汝れは神の子そぞろに寒き家なき子 コスモスの淋しからずや風にも舞へず 肩の荷を下ろせと止まる蜻蛉かな もみづるや光陰淡くまぎれなく 蓑虫や汝れは月の子仏の子 われも又鬼の捨て子ぞ夜を蝕み 参道を掃き出されたるいぼむしり 背なの子のずり落ちてゆく虫の夜
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市堀玉宗
18 days
窓辺なる露けきものに佇める 身に入むや仏の飯を四十年 ほつこりと妻の手になる栗の飯 秋深く里はしぐれのひとさはぎ 二度となきこの世懐かし草の花 夢にまでみたる松茸ご飯にて 山退り空はつれなき晩稲刈 土手を吹く風を聞かばや能登素秋 手遊びにゑのころ草を持ち歩く 地虫鳴く夜や首まで湯に浸かり
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市堀玉宗
1 month
ここに来て、震災地の能登に嘗てない大雨襲来。 門前の興禅寺から一歩も外へ出れない。 明日の午前中まで警戒を怠れない状況である。 ご心配戴いて恐縮です。私は大丈夫です。合掌。
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市堀玉宗
13 days
「秋寒」 朝に夕に襟を正せりやゝ寒く 漂泊の枕引き寄す朝寒く 身に入むや家族といふも一期なる 弁当が右へ傾き秋寒し うそ寒し消え入りさうな草の花 芋の葉の漸く末枯れ露寒し うたた寝を窘められて肌寒し 沖閉ざす雁がね寒き能登の海 留守番のそぞろに寒き日なりけり 釣り銭を握つて帰る夜寒かな
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市堀玉宗
26 days
サフランに綺麗な朝の来てゐたる 咲くことの浮かぶことなり秋桜 素十忌や風に吹かるゝ蜘蛛の糸 ものを思ふうすら寒さよ飯も冷え 秋海棠乙女さびたる紅の どうしても思ひ出せない虫の貌 つくばねや風のかろさの実となりぬ 迸る花の血潮や杜鵑草 垂乳根の泪の匂ひ菊枕 蓑虫のへばりついたる夜の帷
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市堀玉宗
29 days
「晩年」 もの干して秋や時雨の一騒ぎ 晩年といふや色なき風かろく 戸隠や雲の上なる蕎麦の花 菊人形菊に動きがとれぬなり 秋蝶の軽々しくも必死なる 蟷螂の咽に閊へし荒野かな 初秋刀魚背筋正しく焼かれけり 身一つに火の恋しさよわが晩年 宵闇に吹き消されたる石蕗の花 生きながら棺の中や銀河仰ぐ
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市堀玉宗
2 months
「埒」 埒もなき日数の簾納めけり 収拾がつかぬ人生破芭蕉 稲架解くや風がさ迷ひ始めけり 露草や星の屑ほど鏤めて 永らへて仏となるぞ秋茄子 子がをらぬ村はつまらぬ蓼の花 どうしろといふのかつくつくつく法師 雨ながら訪ふ人のあり実むらさき 枕辺は何が何やら夜や長く 梨を剥く妻と二人や火宅の灯
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市堀玉宗
2 months
「へんてこ」 へんてこな貌して憎き菜虫かな 用済みの案山子担いで帰りけり 雀蛤人は無口になる頃ぞ コスモスの花や音符と群れ咲きて 宿借りし寺に立ち寄る帰燕かな 約束などどこ吹く風の蜻蛉かな 秋思いま大福餅をたひらげし 蟷螂の暇乞ふ顔して来たりけり あり合はせですまないといふ夜食かな
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市堀玉宗
27 days
木の実草の実ふるさと捨つる由もなし 自然薯を喰うて余生をひた走る 泣けるだけ泣きぬ団栗握りしめ 上手く言へぬ何かが秋を深めゆく 高く清く秋明菊は花掲げ ほろほろと土より生まれ落花生 鴉啼く釣瓶落しの裏山に 歳月の有無を言はせず秋も暮 親離れ子離れ雁も渡る頃 邯鄲の夜に絆されしこの方の
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市堀玉宗
10 days
「ごめんなさい」」 隠したり閉じたり秋を惜しんだり 蹴飛ばしてみてもつまらぬ虚栗 嘘ついてごめんなさいと菜を間引く 遅くなつてごめんなさいと鶴来たる なにもなくてごめんなさいと零余子飯 仲直りしやうか冬の来る前に 人生が手に取るやうに逝く秋ぞ 味気なき一人の夜やチンチロリン
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市堀玉宗
1 month
「故山」 奥能登のとある田舎の小豆稲架 胡麻咲いて故郷老いてゆくばかり 目を瞑り耳澄まし秋深みかも 暗くなるまで蕎麦の花咲く故山かな 大風に吹き零れたる芋の露 橡の実の落ち放題や名無山 孕みたる力漲る椿の実 なけなしの秋日さ迷ふ胡蝶かな 海猫帰る島に一つの隠し井戸 手探りの闇夜となりぬ鎌祝
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1 year
夢の世界で多くの人は実を求める。が、詩人は夢の中にいて夢を詠う。蚕が自ら紡いだ糸で世界を創造するように詩人は言葉を紡いで在るべき人間世界を創造する。己の生が野たれ死になのかそうでないのか。死者は何も語らない。遺されたものだけが死者の評価をする。それもこれも、すべては夢の中のこと。
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1 year
負けて見えるもの、負けて聞こえてくる人生の実相がある。それは勝って見えてくる世界より余程神に近い。それを聞くことのできる耳、見ることのできる目を持ちたいものだ。
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17 days
「里」 吐血せる花の絶叫杜鵑草 秋の蝶風に抗ひ風に乗り あらぬ方へ飛んでみせたる竃馬かな ステテコが股引となる日なりけり 海はもう誰のものでもない暮秋 鳥の道風の道神渡るらし 里なせる親芋子芋土の中 留守番のおやき頬張る秋の暮 つべこべといふ間に落つる釣瓶かな 手探りの夜の奈落に鳴くちちろ
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1 year
「たつたこれだけ」 芋の露朝の光りを結びけり 子がをらぬ暮らしの簾納めけり 露乗せし花のゴンドラ釣舟草 間引菜の茹で上げてたつたこれだけ 具沢山の味噌汁よけれ紅葉冷 コスモスのこだはりのなく風まかせ 仏壇にもどる暗さと秋冷と あたふたと逃げてゆくなり秋の蜘蛛 生きてゐるここが最果て星流れ
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1 year
「能登暮秋」 能登暮秋塩田小屋の閉ざされて 蟷螂の追はれ追はれて影もなし 烏瓜纏ふべき葉もなかりけり 蕎麦は実に夕空冷えてゆくばかり 稲架解くや能登沖に雲垂れ込めて これより過疎の村なる木守柿 庵さす萩も紅葉となりにけり 僧となるしづかな月日且つ散りて 能登やはや石蕗の花咲く神無月
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市堀玉宗
1 year
わが俳句信条 「あきらめない。むさぼらない。いい気にならない。腐らない。諂わない。善人ぶらない。悪人ぶらない。タブー視しない。無駄使いしない。先生と呼ばない呼ばせない。徒党を組まない。忘れられてもかまわない。あるがままに徹する。」俳句以前か・・ 蒲公英の絮飛ぶ空の果てまでも 玉宗
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生まれて生きて、老いて、病んで、死ぬ。いつ終わるとも知れないそのような存在者である我らは、今、ここという遥かに遠いものに救われている。遠いからこそ歩める。
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「露」 露草の露と弾けて花の舞ひ 暁の鋼の空へ鳥威し 葛の花己が葉陰に埋もれり 百年も去年もまぼろし風の秋 老いたれば蜻蛉の空の懐かしき 秋暑く臍あることの覚束な 雀らが稲穂の海に浮き沈み 来た道をふり返れない芒かな 明日知れぬ命が頼り露けくも 二人ゐてひとりの灯下親しめり
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4 months
「道」 これよりの能登の岨道合歓の花 ががんぼの歩きたいのか飛びたいのか 招きしか招かれたるか盆の道 風に乗りあめんぼ水面すべりゆく 撃たれたる獏の如しや妻昼寝 自在なる鳥のみち夏深きかな 彼の岸へ渡るすべなき端居かな 雲母虫大蔵経を貫通す 青褪めし夜の道あり万燈会
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市堀玉宗
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「寺」 天高く金獅子眠る大乗寺 月を釣る太公望や永平寺 陸奥に波打つ稲穂正法寺 手入れせし火伏の松や諸嶽山 銀杏の落つるやもせぬ瑞応寺 仏舎利に秋の夕焼日泰寺 月に嘯く天狗の森や最乗寺 月影に潜む猫の目誕生寺 病葉も床の飾りや詩仙堂 韜晦の沢水澄める永光寺 蓑虫も着の身着のまま興禅寺
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3 months
「ない」 叱らない案山子に止まる雀かな 秋初め踏んだり蹴ったりしてありぬ 世の隅に生きるもよけれ秋簾 刈���伏せし草の山より虫の声 何もないやうな風吹く素秋かな 茄子に乗り父が帰つて来る頃か 枝豆とざつくばらんな人生と 野を走る風はでたらめゑのこ草 遅くならないうちに帰れと来る蜻蛉
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2 months
「日」 二度となき日は何気なき桔梗かな 昨日より少し老いたる草の秋 なけなしの日を選びてや松手入 花はみなけふを限りと秋めきぬ 十日ほど捨て置かれたる南瓜かな 明後日の方より色のなき風が 露けしや昨日も今日も十年も 光陰に潜むしづけさ龍淵に 一昨日の糸瓜の水を取りに来る
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市堀玉宗
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「前線」 越えられぬ峠が見ゆる秋の暮 山里の日の衰えや紫蘇は実に 津波禍の磯に釣りたる紅葉蛸 毒茸と言はれてみればそんな感じ 頭陀袋窶れて秋の深みかも 前線を引き揚げてゆく秋の雲 野良の母迎へに釣瓶落ちぬ間に そこにある芒が檻の外のやう 暮れ残る蕎麦の花影九月尽 沖をゆく月の客船プリンセス
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市堀玉宗
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「突つ張つて」 突つ張つて生きるもよけれ秋茄子 賽銭に混じる三井寺ゴミムシよ うちとけし能登の訛りよ林檎売 加賀殿の北陸道に梨を売る 隠れん坊の鬼に継子の尻ぬぐひ 秋風や顔もとどめぬ石地蔵 木瓜の実の瘤が梢に三つ四つ 団栗を拾ひ過ぎてはつまらなく 戸隠や雲の上なる蕎麦の花
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市堀玉宗
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輪島は5弱だったけど、久しぶりの大揺れで、外へ飛び出した。平成19年の能登半島地震の時も6強だった。珠洲方面に被害が出ているようだ。地震国日本と、あきらめきれない思いがある。ここは智慧と支え合いで生き延びてゆくしかないのだろうね。 #Yahoo ニュース
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市堀玉宗
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「磯」 能登晩夏かつて遊びし磯も荒れ 甲虫Zと名付け連れ歩く 吹けば飛ぶ天道虫よ天翔ける 家を出てそのまま草を引き始む 愛されずして金魚を飼うて慰みぬ 百日草昨日と同じ夢を見て 夏蝶の触れゆくものゝ皆さざれ 新馬鈴薯や村に祭りが来る頃の 獣染みたる男に水をふるまへり 夕暮れは妖しげ烏瓜の花
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市堀玉宗
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そういえば秋だったんだねえ。
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市堀玉宗
3 months
「さうして」 絡めとり覆ひ被さり藪枯らし 震災に倒れし墓を洗ふなり ゑのこ草まだうらわかきさみどりの 秋ひとり一人遺され風の中 つくつく法師さうして誰もゐなくなり 明日は帰る空遥かなりつばくらめ 海はもうだれのものでもなき初秋 そこ退けと風吹く萩の枝垂れかな 秋めくや消え入りさうな夜の跫
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市堀玉宗
4 months
「栞」 虹といふおもひで色の栞かな 雷過ぎし後の安堵や手を洗ふ 托鉢の笠の向かうや雲の峰 仲夏とて氷室饅頭喰ひしのみ 遺すべき言の葉もなき昼寝かな 立葵帰省のバスが立ち止まり
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市堀玉宗
1 year
「飾らない」 膨らんで明日は飛び立つ風船葛 表より裏は気楽で韮の花 チェロ弾きの伴奏もなしいぼむしり 枝豆や嫁を貰へといふ口が 梨といふ汁の塊重くれて 枕辺に虫籠置いて眠る子よ
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市堀玉宗
5 months
「ちゆんちゆん」 雀の子ちゆんちゆん遊び足らざりき ひらひらと波打つ風のクレマチス びゆんびゆんと掠め飛ぶ夏つばめかな 小判草じやらじやら三途の河原めき 花楓くるくる風に舞ひ落ちぬ 蟻が来るふらふら用はないのかと
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市堀玉宗
2 years
「衆を笠に着る」「偶像を作り上げる」機会は、一人を慎んで生きるより権威に纏われてしまいがちな「集団」の中の方が作りやすい。そのよ���な有象無象の作り出す魑魅魍魎の世界。それは悪しき「和合」である。そのような世界になんの未練もない。
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市堀玉宗
1 month
帰るさの別れも近き燕かな 密やかに杜鵑草など咲かせ生きめ 鳥は血を花は気を吐く杜鵑草 死して星に生きて野分を聞く身かな 道野辺の野菊手向けむ地蔵尊 捻くれて月に太りし秋子なる 芒穂に紅顔尋ぬべきもなし 雀鱈腹海に入る日も近きかな 妻が待つ韮の花咲く家に帰らう 仲直りしやう野分の来る前に
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市堀玉宗
2 months
「希望の地」 定まらぬ北國日和えごは実に 来てみれば浜のいらくさ花盛り サフランの喜び出づる希望の地 芋の露ふるさと捨つる由もなし ゆふぐれはなんだか怖いそばの花 鶏頭の紅にして淋しかりけり 明日へと引き揚げてゆく秋の雲 奥能登の山は傾るゝ葛の花 懐かしき火宅の灯虫の声
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市堀玉宗
1 month
「入る」 能登素秋家を失くせし者ばかり 暁の夢の名残りや草雲雀 蛇穴に入るやぶつくさ言ひながら 三つほど柚子を貰ひぬ垣根越し ばら撒きしやうにも逃げる稲雀 どさくさに紛れし蟻や穴に入る 雨ながらカンナは花と燃ゑ盛り これよりの人恋しさよ初紅葉 泣き寝入りせし蓑虫もありぬべし
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市堀玉宗
1 year
「へんてこな」 へんてこな貌して憎き菜虫かな 用済みの案山子担いで帰りけり 雀蛤人は無口になる頃ぞ コスモスの歌ふやうにもゆらめいて 帰るさの寺に立ち寄る燕かな 老いらくの免れがたく天高し
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市堀玉宗
19 days
「月下」 懐かしき二人の旅路もみづれる 稲扱くや日は午に迫り冷えまさり 榠樝の実月下に落ちし疵一つ 留守がちの神の国なる古酒新酒 ひと頻り雨に祟られ蓮掘 参道に忘れ箒や秋しぐれ 万葉の紫連ね式部の実 洗ひ晒しの空に栞す秋の虹 秋灯下満ち足りてゐてなほ淋し 月光に濡れたる猪の蒐場かな
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市堀玉宗
1 year
ん~、惜しい、悔しい。 でも、最優秀賞が15歳の高校生と知って、嬉しくなった。おじいちゃんは負けて本望。後人恐るべし。来月10日に掲載される文章が楽しみだ。授賞式は11日。親子3人で参加する予定。お盆前でよかった。\(^o^)/
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市堀玉宗
2 years
年年歳歳、花を咲かせてきた桜の木。それを仰いできた人間模様、栄枯盛衰、紆余曲折がある。この桜の木もまたいのちを繋いで今にある花を咲かせている。花の歳月。人の歳月。花との出会い。いのちの出会い。有為の奥山とは有為の彼岸のこと。花に酔い、花に目覚める。諸行無常に学ぶべきものがある。
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市堀玉宗
2 years
「夢のあとさき」 腑に落ちぬ夢のあとさき雉の声 黄梅の匂ひ立つかにひらき初め ぶらんこの下に空ある水溜り 背伸びして木の芽屈んで名草の芽 佐保姫のお山と仰ぐ鳥居かな 雛飾る妻が流浪の顔をして 恋の猫しがなき雨にずぶ濡れて 見下げたる国を遥かに鳥帰る 揺り起こす風の強さよ木の芽山
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市堀玉宗
2 years
「手間暇」 裏白の反りもめでたき四日かな 春着の子年は三つと答へけり お年玉もらひすぐさま覗く子よ ひと粒に手間暇掛けし開豆 なかんずく開牛蒡の土臭き 数の子を噛めばしよつぱい味気なさ 解けさうで解けぬ結び昆布かな 俵子のつるりと箸をすり抜けし 老いたればしゃぶるほかなきごまめかな
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市堀玉宗
1 month
「耳」 業火なす一塊の彼岸花 生きながら伝説となり秋簾 芋の葉やダンボの耳の大きさの 手のひらを返すやうにも秋の暮 舞ひ降りて稲穂の海に入り浸る 落鮎の落ちゆく古き都かな 稲を喰ふ雀を叱ることもなく 秋の暮踏んだり蹴つたりしてありぬ 可惜夜にひそひそ話龍淵に 遠山に星の落ちゆく穴惑ひ
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市堀玉宗
4 months
でで虫が裏へ回つていくところ 脱ぎ捨てて退路断つかに蛇の衣 腸に沁みる夕焼けなりしかな 楽園を追はれて来たか羽抜鶏 無花果のまだ無邪気なる青さにて 南天の飯粒花の蕾かな 梅雨兆す花のともしび金糸梅 栗の実のまだ幼気な青さなる 梔子のひたに無垢なる花のいろ 夢を追ふ空はキャンバス夏燕
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市堀玉宗
1 year
親猫に育児休業された子猫。見るにみかねて、わが夫人がミルクを飲ませたり、添い寝をしたり、下の世話をしたり。夫である吾輩もかまってもらったこともない可愛がり様。授乳が思い通りにいかない。栄養不足はあきらか。ちゃんと育ってくれるだろうか、心配な存在でもある。どうしたものやら。(´;ω;`)
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市堀玉宗
2 months
「そろそろ」 そろそろと床をぬけ出す白露かな 秋めくや時はしづかにつれなくも 燕去るフランスパンの固さかな 手入せし松葉しぐれと降りそゝぐ 化け損ね後ろ髪引く尾花かな 鶏頭の花といふには頑なな 満ち足りて眠たさうなる稲雀 蟷螂の身寄りなき貌して来たりけり 夕月夜帰り待つ人あらばこそ
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市堀玉宗
1 year
「飯」 裏山の土のにほひや零余子飯 栗ご飯おかはりをして喜ばれ 嘗てあり松茸飯といふものが 威勢よく食はねばならぬとろゝ飯 食べないからと古米をくれてゆきにけり 古々米は鼠も喰はぬ世なりけり 新米を運ぶに肩を貸せといふ とりあへず枝豆でもともてなされ 新蕎麦と言はれてみればそんな味
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市堀玉宗
2 months
「頃」 老いといふ過客敬ふ日なりけり 月に日に雨に太りし秋子かな 草は穂に目鼻とどめぬ地蔵尊 彼岸花償ひきれぬ血の色の 食ひ足りて雀も海に入る頃ぞ へなちよこが担いでみする今年米 叱られて雨も紫式部の実 約束を忘れないでと去ぬ燕 俳諧に死んでみせたる糸瓜かな 蛇穴に父がめそめそする頃ぞ
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市堀玉宗
1 year
「雷鳴」 雷鳴や母の布団に逃げしこと 虹なせる眉のさゆらぎ合歓の花 でで虫のゆくとも見えずゐなくなり ごちやごちや云はず冷素麺を喰へとこそ 頭悪きまゝに覚めたる三尺寝 遠ざかる雷鳴を聞き寝ぬるなり 終活の初めや飯が饐ゑてゐる 拘りなく世離れしては黴臭く 雷鳴す剥き出しの夜の凄まじき
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市堀玉宗
4 months
「余白」 夏至といふ空に大きな余白あり 栗の花吹きこぼれたるかのやうに どろどろの泥の大王蟾蜍 追ひかけて来たるかといふ雲の峰 だれ待つとなけれどけふも水を打ち ふるさとは何もないけど朴葉飯 花柘榴日差し愈々容赦なく 葛饅頭とろりぐらりと皿の上 はぐれ雲夏野をいくつ越えたるや
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市堀玉宗
1 month
朝に夕に火の恋しさよ彼岸過ぎ 石叩き行つたり来たりして去りぬ 隙あらば逃げ出す土手の南瓜かな 銀漢を滑り落ちたる蒙古斑 こうしてはをれぬと秋の蝶がゆく バスを待つ上の空にて渡る鳥 顔だけが義経である菊人形 栗飯の湯気の向かうに母がゐて 鈴虫を鳴かせ上手と褒めらるゝ 月に鳴く宛らら旅の螽斯
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市堀玉宗
1 year
「愚かに」 盆帰省星の名前の汽車に乗り 秋ひとり残暑に堪えて昼寝して 世に忘れ去られてこゝに秋簾 草は穂に哀れ愚かに抜きん出て 瓢箪のこれみよがしの実なりけり 夕顔のふてくされたる重さとも ぶらぶらとふらりふらりと秋涼し 鳳仙花指切りげんまんすぐ忘れ 念佛と虫鳴く夜を同じうす
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市堀玉宗
1 month
「男」 男ありけり色なき風に何するでなく 紫苑晴何もなかつた事にして 用済みの案山子担いでゆく男 冥界に身を焦がしてやつづれさせ 蛸を釣る男が一人秋彼岸 秋刀魚焼く腰に帯するものもなし 秋風に冷飯を食ふ男かな 後悔の押し寄せてくる秋夕焼 仏弟子はほとんど男芋の露 虫の夜大事な事をさり気なく
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市堀玉宗
1 year
「十字架」 山家集あぶな絵もあり土用干 虹渡り来たるかといふ詐欺師かな 向日葵や背負ふべき十字架もなし 逝く夏の遥かな海を見てゐたる 田水沸き死んだやうなる村ひとつ 飯饐えて見捨てられたる味すなり 野牡丹の夜空とひらく花の色 鶏頭のまだいとけなき火炎かな 摘み置きし夏花浸せり夜の水
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市堀玉宗
2 years
「雨」 あたたかき彼岸の雨に別れけり 解きたる雪吊の縄担ぎ去る 風の道鳥の道山辛夷かな 能登富士を神とし春を耕せり 落椿無念の雨とおもひけり 白雲のゆくへも知れぬ菜花かな ランドセル杏の花の咲くころの そぼ降れる雨ににほへる木の芽かな 鶯やそれどころではないのだよ 夕映の影を競へる土筆かな
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市堀玉宗
4 months
「やら」 据え置かれ家族出払ふ飯の汗 うち寄せて肩身の狭き海月かな 初ものの茄子や胡瓜やトマトやら イエズスの逆鱗に触れ羽抜鶏 孑孑の閊えてゐたる水面かな もう誰もゐない仏間や西日差し 浮いてこい子に鎹の蒙古斑 蛞蝓の傍らをゆく蝸牛 殺戮のしづけさにあり蟻地獄 蒲の穂に止まる蝶やら蜻蛉やら
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市堀玉宗
2 years
「母」 母老いてお伊勢参りも叶はざる 左手に母と右手に風船と クリスマスローズ一方ならぬ母の愛 母なくばこの世の終り花ゑんど 竹の秋母を一人にして遊ぶ 草餅やどこへも行かぬ母の味 恥らうて花と俯く貝母かな 母子草飾らぬ母の面影の おかはりを母の喜ぶ菜飯かな 朧月母の背中に見しよりの
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市堀玉宗
2 years
托鉢の鈴の音もかき消されるような吹雪。 遭難するかと思ったぜ。 これも日々是好日のわが風景。\(^o^)/
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市堀玉宗
5 months
風通し裏も表もなき暮らし 夏座敷風が素通りしてゆきぬ 彼の岸の風を仏間に通しけり 立葵郷の便りも途絶えがち 確かめて置こうか梅雨に入る前に 心太啜る言ひ過ぎ悔やみつゝ 虹仰ぐ言葉足らずを悔やみつゝ 京鹿の子村に祭りが来る頃の 望郷や馬鈴薯の花見るにつけ 昼顔のいつの間に咲く何気なさ
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市堀玉宗
1 year
「月の寺」 来て見れはすでに秋風五合庵 生きながら伝説解夏の森深く 天高く金獅子眠る大乗寺 月を釣る太公望や永平寺 みちのくの稲穂波打つ正法寺 手入れせし火伏せの松や諸嶽山 銀杏の実落つるやもせぬ瑞応寺 仏舎利に釣瓶落つるや日泰寺
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市堀玉宗
2 years
「黄」 パンジーの裏が表とひと捻り あふれ出る光りに塗れ福寿草 囀るに願つてもなき日なりけり 立ち話にはお日柄もよく木瓜の花 遠目にもあれは菜花の黄なりけり 棺桶の蓋に落ちたる椿かと
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市堀玉宗
1 year
「身寄り」 ふり向けば身寄りなき貌いぼむしり 地虫鳴く手負ひの父が帰るとき 虫籠に残る西瓜の一欠片 頑なに斯くまで固き椿の実 かしましき倭の名の国の稲雀 野に咲いて打たれ強さや女郎花 女郎花ほどは目立たず男郎花 辣韭の花とも知らで生きて来し 武骨なるされど憎めぬ南瓜かな
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市堀玉宗
2 years
「三蔵」 木蓮のひたぶる風の高さかな 咲き満ちて花の翳りや放哉忌 鷹鳩と化しては遊び呆けたる 龍天に登り喰ふには困らざる 鳥雲に入るや万年床上げよ 三蔵が伝へし亀の声かとも 木蓮はゆらゆら辛夷ざはざはと 風船の吸ひ込まれゆく美空あり 暇さうに鴉の歩く遅日かな 春一人摘んだり食つたり憂ひたり
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市堀玉宗
2 years
「座敷童子」 二度となき朝が来てをり寝過ごしぬ 白魚の喰ふにはしのびなき美味さ 雪解けてしまへり思ひ出��ぬなり 雛の間に寝たがる座敷童子かな うら若き光りの中やヒヤシンス 家出してみたしぶらんこゆらゆらり
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市堀玉宗
2 months
「ふるさと」 草は穂にふるさと遠くなりゆけり 親離れ子離れ雁の渡るらし 新米を寺の年貢と置いてゆく 怖ろしき水の行方や崩れ簗 ふるさとの雨の情けや草の秋 稲の香に噎ぶ故郷へ降り立ちぬ 裏山に惜しみなく落つ零余子かな 近づいてみてもやつぱり紅天狗茸 ふるさとは夜目にも匂ふくわりんの実
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市堀玉宗
1 year
些か本来の使命を逸脱している案山子かと。 まあ、いいか。\(^o^)/ 鳥の道けふは雲ゆく案山子かな 玉宗
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市堀玉宗
21 days
「妻」 而して二人きりなり秋も暮 火や恋し机一つの四畳半 邯鄲や生まれ変はれるものならば 糟糠の妻を花野へ解き放つ 茶の花や外より寒き家の中 求める事のさう多くない濁り酒 秋風や一度ならずも被災して 釣瓶落ち夫婦茶碗のあるばかり 妻には妻の灯火親しむ夜なりけり 月見より戻りし妻の胡乱なる
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