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大谷かおる

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院卒(人文社会科学)後、アカデミックな知と社会をつなぐ仕事に従事。お金にならない、ビジネスで役立たない、明日から使えない「人文知」を共有します。趣味は読書、特技は積読。読んだ本を書影つきで紹介。たまに博物館・美術館のレポートも。無言フォロー失礼します。

学び直し大学積読学部棟4階
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大谷かおる
28 days
今井むつみ・秋田喜美『言語の本質』中公新書。 新書大賞の話題作。子どもに言語の大局観を与えるものとしてオノマトペに着目。 人間はアブダクション推論(結果から原因を考える非論理的な推論)が可能で、その能力が言語能力の発達を可能にしたとのこと。 ゆる言語学ラジオの登場頻度に驚き。笑
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大谷かおる
6 months
阿部公彦『文章は「形」から読む』集英社新書。 言語オタク発狂の一冊。契約書や料理レシピ、夏目漱石や太宰治、綿矢りさの小説などあらゆる文章を取り上げ、語尾や主語の有無など「形」を読み解く。 書名も「読む」という終止形の語尾…!と、何気ない文章の形にも自然と注目するようになって面白い。
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大谷かおる
2 months
松村圭一郎『くらしのアナキズム』ミシマ社。 人類学、凄い。現代の諸課題の解決に向けて我々は歴史を学ぶ。しかし教科書には人類史の大半を占める「歴史以前」の知見がないに等しく、これは人間や社会の理解を目指す現行社会科の大きな欠陥。 現代を相対化して理解できる人類学は極めて教育的な学問。
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6 months
ティファンヌ・リヴィエール『博論日記』花伝社。 博士論文に悪戦苦闘した著者が描くフランスでベストセラーとなった自伝的漫画。金も時間もなく恋人とも破局。出口の見えない過酷な文系院生の生活苦をコミカルに描くが、笑えるより正直泣ける。 志ある院生への社会的理解が、少しでも深まってほしい。
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8 months
オルテガ・イ・ガゼット『大衆の反逆』(岩波書店)。これほど的確に現代社会の病理を捉えた書はない。大衆とは「みんなと同じ」ことに苦しまずむしろ満足する「平均的な人たち」で、歴史を尊敬せず理想を求めない。そんな大衆が歴史上初めて権力を握った状況へ警世の書。 #あなたの岩波文庫はどこから
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大谷かおる
3 months
NHK大河ドラマ「光る君へ」の効果で書店を賑わす平安時代。 藤原道長の摂関政治や宋との関係、紫式部・清少納言に関する宮中の貴族文化など、専門書は難しいが高校教科書よりは詳しく知りたい人に最適な岩波新書の概説書。 古代史シリーズなので、遡れば長いスパンで「日本の成り立ち」が理解できる。
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大谷かおる
15 days
梁英聖『レイシズムとは何か』ちくま新書。 レイシズムは最悪の場合ジェノサイドに発展する。差別の自由はなく、駄目なものは駄目だと明確に社会が示すことが重要。 京都国際・関東第一の選手たちは甲子園の舞台でお互いをリスペクトし讃えあっていた。 この高校球児の姿から、日本社会は学ぶべき。
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大谷かおる
23 days
丸山眞男『現代政治の思想と行動』未来社。 本日は終戦記念日。戦後を代表する政治学者による名著。 戦争指導者たちが「私は反対だった」と述べている現状を「何となく何物かに押されつつ、ずるずると国を挙げて戦争の渦中に突入したというこの驚くべき事態」と表現し、「無責任の体系」を指摘した。
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大谷かおる
26 days
佐々木健一『美学への招待』中公新書。 猛暑を避け美術館巡りをする中で購入。 本書は「藝術」「美」「感性」に関する哲学である美学について、現代の新美学までの流れを概説。 近代美学を批判した「美しくない藝術」としての20世紀のアヴァンギャルドなど、背景が分かれば美術館巡りもより楽しめる。
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大谷かおる
3 months
山本文彦『神聖ローマ帝国 「弱体なる大国」の実像』中公新書。 1806年まで約850年間も存続した大国。かつて分裂国家と低評価だったが、EU統合にともない多くの民族を統合する中央集権的ではない政治組織として再評価が進展。 まさに歴史は現在と過去との対話。アップデートされた世界史を学べる好著。
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大谷かおる
19 days
『人はいかに学ぶか 授業を変える学習科学の新たな挑戦』北大路書房。 全米科学アカデミーなどが脳科学や認知心理学の最新の知見を踏まえて作成したレポート。生涯学習への言及がある点が良い。 訳がとても読みやすく教職志望の学生にオススメ。現役教師も研修というならこれの輪読だけで十分有益。
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1 month
酒井邦嘉編著『脳とAI 』中公選書。 興味深く読めた一冊。言語は脳で処理され、その脳も神経も物質で出来ており物理法則に従う。物理学の方法を言語研究に導入し言語の規則性を示したのがチョムスキー。 人間の脳は生得的に無限の文を扱えるが、AIは違うため「シンギュラリティ」はありえないと断言。
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3 months
『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』中公文庫。 破綻する組織の特徴を、国家という最も巨大な組織を滅亡させた旧日本軍を学術的に分析してその教訓をまとめた名著。 「目的のあいまいな作戦は必ず失敗する」「組織は環境の変化に合わせて自己変革が不可欠」など、特に指導者を目指す人は必読の一冊。
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20 days
内田聖子『デジタル・デモクラシー』地平社。 ビックテックは収集した個人情報をもとにAIによって人々の行動を予測し、そうした情報や技術は雇用や犯罪捜査にも応用される。 「監視資本主義」の問題点と「データ主権」を取り戻そうとする運動をまとめた一冊。 対応が遅れる日本はまず事実を知るべき。
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大谷かおる
4 months
小田中直樹『歴史学のトリセツ』ちくまプリマー新書。 歴史はあらゆる人にとって知ることが不可欠な「最高の学問」だと思う。 私たちはどこから来て、今どこにいて、そしてどこへ行くのか。予言は不可能でも最悪の選択は避けられる。 また過去を知ることで今の「当たり前」を相対化し自由に近づける。
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2 months
『我々はどのような生き物なのか』岩波書店。 生成文法などで言語学の革命的発展に貢献したチョムスキー。「現存する知識人の中で最も重要な人物」「最も引用される著者」と評され米国世論にも影響を与えてきた。 人間の自由のために政治活動にも奮闘する姿勢は知識人の社会的責任を体現している。
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25 days
『世界』9月号、岩波書店。 アメリカ大統領選や石丸現象など最新時事を扱う。 横山広美「理系女性はなぜ少ない」では「数学ステレオタイプ」といった社会風土を問題視。 武田砂鉄・五味渕典嗣「揺らぐ国語教育と教室空間」は教育関係者必見。「主体的に学ぶ」といった昨今の教育政策を批判的に検討。
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13 days
古矢旬『グローバル時代のアメリカ』岩波新書。 1970年代に「大きな政府」は行き詰まり、ニューディール・リベラリズムが力を失い、マイノリティのカウンターカルチャーが盛り上がる。 一方で保守主義が台頭し、レーガン期の新自由主義により格差社会へ。グローバル化への反動としてトランプが台頭。
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4 months
間永次郎『ガンディーの真実 非暴力思想とは何か』ちくま新書。 日常の衣・食・性に潜む「暴力」を徹底的に批判し、その不正に服従しない生活(真実)を実践した彼の思想の全貌を描いた良書。 単なるイギリス批判にとどまらず、近代文明のシステムそのものを批判的に捉える先進性と視野の広さに驚嘆。
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3 months
佐々木実『宇沢弘文』講談社現代新書。 新自由主義が台頭するアメリカで天才と評され、帰国後は水俣病など公害問題を目の当たりにして人間と環境の関係を取り入れた「社会的共通資本」の経済学を構築した経済学者。 拝金主義ではない人間の学としての経済学を考える上で今後ますます注目すべき人物。
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1 month
宮崎駿『君たちはどう生きるか』スタジオジブリ。 ついに発売。映画のタイトルであり劇中で主人公が涙を流した本は、戦前に吉野源三郎が著した児童文学作品。 解釈は様々ですが、私は人工的で完全な(と思われる)世界ではなく、自分の手で不完全な世界を何とか創り上げていく少年の決意を感じた。
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3 months
池内了『清少納言がみていた宇宙と、わたしたちのみている宇宙は同じなのか?』青土社。 大河ドラマ「光る君へ」で話題の清少納言がタイトルに拵えられた知的な一冊。 文系理系に分ける日本の教育は、幅広く奥行きのある思考の形成を損ねている。 両者に優劣はなく、どちらが欠けても知として不十分。
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2 months
佐藤正幸「人は歴史的時間をいかに構築してきたか」『岩波講座 世界歴史』1巻。 世界各地の固有の紀年法から20Cにキリスト紀年法が世界共通紀年となった背景を考察。 歴史研究を志す者が必ず通る道の一つが岩波講座。全24巻読めば歴史的な視野が相当広がることは確実。数年かかっても読み切りたい…!!
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5 months
話題作『オッペンハイマー』鑑賞。アインシュタインはもちろん、ボーアやハイゼンベルクなど物理学の巨人が続々と登場するのも見所。 ノーラン監督がいうようにオッペンハイマーの「主観」を追体験できるよう構成されており、映像や音響は圧巻。 鑑賞後は広島・長崎に足を運び被害の実相も学ぶべき。
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7 days
伊藤隆『歴史と私』中公新書。 政治家や軍人の史料を収集し『佐藤栄作日記』などを編纂した近現代史研究の大家が逝去。 主流だったマルクス主義の歴史観を批判した保守の論客。 反証のためにも、史料は保存だけでなく目録を作り公開すべきという立場を実践したことに、学問への誠実さが伝わってきた。
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3 months
小川幸司『世界史との対話』地歴社。 歴史を学ぶ意味の一つは「他者理解」。 本書は現役高校教師が自身の世界史の授業をもとに執筆した大著。コロンブスのアメリカ到達についても多様な視点から検証。 「本当の「野蛮」は、他者を自分の基準にねじ曲げて裁断」してしまうことだとは、正にその通り。
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大谷かおる
4 months
小川幸司「〈私たち〉の世界史へ」『岩波講座 世界歴史1巻』。 全24巻の最初の総論を執筆する小川氏は、研究者ではなく現役の高校教員。歴史を社会に開き、研究の最前線を学べる同講座のスタンスを象徴。 地球規模の課題を抱える現代こそ、歴史「を」学ぶというより、歴史「で」学ぶ姿勢が必要。
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1 month
広田照幸『学校はなぜ退屈でなぜ大切なのか』ちくまプリマー新書。 学校はなぜ必要か? 日常生活における「自分の経験」という狭く限定された世界だけでは学べないこと学ぶ点に学校の意義ある。また健全な批判力をもった社会の形成者を育成するという重要な役割もある。 教師を目指す人はぜひ一読を。
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6 months
野矢茂樹『言語哲学がはじまる』(岩波新書、2023年)。 人はどのように言語を理解しているのか、言語それ自体を哲学。語の意味の積み重ねで理解しているとする要素主義、文の意味との関係で語の意味が決まるという文脈原理など。 新書大賞で話題の『言語の本質』(中公新書)よりも本格的な一冊。
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4 months
阿部謹也『「教養」とは何か』講談社現代新書。 教養があるとは、何らかの制度や権威によることなく自らの生き方を通じて周囲に働きかけてゆくことができる人だという。 教養主義が没落し、「知識マウント」なる言葉まで現れて、生き方や社会のあり方について語り合うことすら憚られる雰囲気は危うい。
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大谷かおる
1 month
上野千鶴子『フェミニズムがひらいた道』(NHK出版)。 フェミニズムは「弱者が弱者のままで尊重されることを求める思想」で、全ての人に公正をもたらす。 男女格差はなお残るが「よりマシな」社会になっているのも事実で、それは声をあげた人たちがいたからこそ。 知ることで人は偏見から自由になる。
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大谷かおる
2 months
村上隆『文化財の未来図』岩波新書。 朽ちゆく文化財を保存修理する人々の並々ならぬ努力と継承への誠実さが分かる一冊。 文化財保護法は「保存」に主眼があったが、2000年頃から経済的観点から観光資源としての「活用」が強調される。保存修理には財政支援が不可欠で「保存なき活用に警鐘」を鳴らす。
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大谷かおる
2 months
住吉雅美『ルールはそもそもなんのためにあるのか』ちくまプリマー新書。 「古いルールを変えたい!」と主張する側には普遍性や公共性という視点が不十分な場合が多い。他方で、ルールだから守ろうという思考停止の姿勢も非民主的。 合意を形成しつつ、良いルールを自分たちで作り上げる文化が必要。
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大谷かおる
3 months
鹿毛雅治『モチベーションの心理学』中公新書。 もともと教育や企業の現場での必要から発展した分野だというが、人を動かし、操作し、管理したいというのが、いかにも近代の思想という感じ。 様々な理論が解説されるが確実に「やる気スイッチ」を押せる答えはない。それだけ人の心は複雑ということ。
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大谷かおる
3 months
樋田毅『彼は早稲田で死んだ』文藝春秋。 若者が非政治化し、少しでも政治を語れば「思想が強い」と揶揄される昨今から見れば、学生が様々な運動をする姿は輝いてみえさえする。 しかし、革マル派による大学構内リンチ殺人事件の渦中にいた筆者のこのルポを読めば、そう単純な話ではない事が分かる。
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大谷かおる
4 months
小川仁志『ジブリアニメで哲学する』PH P文庫。 政治哲学者が『風の谷のナウシカ』から『風立ちぬ』までの10作品を取り上げ、「となり」とは何か?、「知らない町」とは何か?などについて哲学するユニークな一冊。 哲学的思考だけでなく宮崎アニメの深読みも出来るので、ジブリファンとしては大満足。
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大谷かおる
14 days
中野耕太郎『20世紀アメリカの夢』岩波新書。 豊かな生活水準や社会的平等を実現し世界に広めるという「夢」はなお課題が山積。人種問題への対応が冷戦の論理から導かれるというのは勉強になった。 トランプ政権成立とともに始まった本シリーズは大統領選前に現代米国の争点が理解できるのでお勧め。
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大谷かおる
3 months
篠原初枝『国際連盟 世界平和への夢と挫折』中公新書。 国際連盟は第二次世界大戦を防げず「失敗」と評価されてきたが、本書は連盟が国際関係に普遍的な法秩序を樹立したことや、国際連合設立につなげた点を評価する。 ウクライナ、パレスチナ問題で曲がり角にある国連を考える上でも有益な一冊。
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大谷かおる
29 days
広島平和記念資料館へ。 なぜ私たちは歴史を学ばなければいけないのか?この展示をみれば、その答えは自然と理解できるはず。 14万人もの犠牲者をだしたが数の問題ではない。亡くなった方一人一人にそれぞれの名前があり、家族があり、人生があった。 原爆は決して忘却してはならない人類の記憶。
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大谷かおる
1 month
金沢謙太郎「環境社会学の視点からみる世界史」『岩波講座 世界歴史1巻』。 災害級の猛暑や大雨の頻度も増している。歴史学は文字史料ではない環境を十分に扱ってこなかったが、環境を視野に入れた歴史叙述が今後重要に。すでに医学や生物学など自然科学の知見に基づく新たな歴史学が提起されている。
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3 months
鎌田遵『「辺境」の誇り』集英社新書。 同じ出来事、同じ人物でも、見る人の立場によって歴史の語りは異なる。 「勇敢な冒険者コロンブス」と「大地を奪われ迫害された先住民の経験」はまさにそれを示している。 アメリカ先住民と震災後に故郷から切り離された福島の人々の姿を重ねて記録した一冊。
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3 months
『現代思想 15歳からのブックガイド』6月臨時増刊号(青弓社)。 マクニール『疫病と世界史』、手塚治虫『アドルフに告ぐ』、アティヤ『数学とは何か』… 哲学、宗教、科学、宇宙、建築、ファッションなど、32の分野で専門家がコンパクトに読書案内をする。 これは大人も超お買い得ではないか…!
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大谷かおる
1 month
吉見俊哉『大学とは何か』岩波新書。 12世紀ヨーロッパ〜現代の大学の歴史を概説。 中世の大学は「都市」の、19世紀以降の大学が「国民」の大学で、明治日本の大学は西洋の近代知の翻訳し国家建設を担う「帝国」の大学として成立。 80年代以降の改革によって日本の大学全体の質が低下した点も指摘。
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大谷かおる
1 month
島田竜登「構造化される世界」『岩波講座 世界歴史』。 西欧世界の優位という歴史観を相対化するグローバルヒストリーの視点で14〜19Cを概観。現在18あるメガシティのうち17が近世に形成。現代につながる「近世」という時代の画期性がアジア経済の豊かさとともに強調。 今を知るには歴史学習が不可欠。
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大谷かおる
2 months
寺田寅彦『天災と日本人』(角川ソフィア文庫)。 「災害は忘れた頃にやってくる」の言葉で有名な戦前を代表する地震学者。 文明が進むほど災害の激烈さが増す、天災ばかりは科学の力でも止められない。できる事は「過去の記録を忘れない」こと。 能登半島地震から半年、検証と教訓の共有が必須。
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3 months
弘中惇一郎『特捜検察の正体』講談社現代新書。 薬害エイズ事件、小沢一郎事件などで無罪を勝ち取った弁護士が、様々な事件を挙げながら特捜検察による捜査の危うさを指摘。 裏金事件など検察に期待する声がある一方で、国家権力に頼ることの危うさが分かる。 結局は国民が選挙で審判を下すしかない。
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3 months
森元斎『死なないための暴力論』インターナショナル新書。 流行のアナーキズム関連の一冊。国家など権力による上からの暴力に抵抗する暴力(反暴力)を肯定し、ガンジーやキング牧師も非暴力「のみ」で社会を変えたわけではないと指摘。 「暴力を大切に、慎重に、時にラディカルに扱うべき」という。
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4 months
阿部彩『子どもの貧困』岩波新書。 日本の子ども(特に一人親世帯)の貧困率の高さは深刻でOECD諸国でも下位に位置。幼少期から様々な資源をもとに介入できる保育所は「貧困の防波堤」とその重要性を指摘。 筆者は「格差」は生じても「貧困」は許容してはいけないと両者を明確に区別する。 #こどもの日
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3 months
杉本仁『選挙の民俗誌 日本的政治風土の基層』梟社。 甲州選挙の分析から「義理」「無尽」といったムラの選挙装置の存在を指摘しつつ、政策や主義主張ではなく「面倒見がいい義理がある政治家」が選出される様子を描写。 こうした「民俗」を肯定も否定もせずその意味を問うことが重要だと筆者は言う。
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3 months
小林哲夫『高校紛争』中公新書。 卒業式答辞 「受験体制の中で羊のごとく飼いならされ、反抗することを忘れていた私たちも、主体性を取り戻そうとする第一歩を踏み出す」 卒業証書を破り捨て、自主卒業式と討論会を開く高校生。 社会への無関心が広がる現代では隔世の感。特に教育関係者は一読を。
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3 months
村上慎一・伊藤氏貴『国語教育が危ない!』岩波ブックレット。 新学習指導要領では「実用的な文章」の読解が強調され、文学軽視の批判も。 AI・SNS時代にあってはじっくり時間をかけて共感できない他者に耳を傾け想像する力が重要で、そうした言葉の力はむしろ小説などで養われるという指摘に共感。
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4 months
『「低学歴国」ニッポン』(日本経済新聞社)。 企業の研究者に占める博士の割合は約4%(米10%、韓7%)。経営者(時価総額上位100社)の院卒者は15%(米67%)。20年間で博士が減少したのも先進国で日本だけ(米・韓は2倍増)。 まずは欠員状態の教員の待遇を大幅改善して博士人材を登用してみては?
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5 months
湯川秀樹『旅人 ある物理学者の回想』角川ソフィア文庫。 陽子と中性子を結びつける中間子の存在を予言し、日本人初のノーベル物理学賞を受賞した知の巨人。 幼少期の乱読と学生時代の教員たちの「自由放任主義」にのびのびと育てられたと繰り返し回想するが、本物の知性の生まれ方をよく示している。
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5 months
新年度ですね。 忙しすぎて積読が増えますね…。 仕事に縛りつけられないよう、読書の時間は確保しましょう。 「あらゆる良書を読むことは、過去数世紀の最高の人々と会話するようなものだ」(デカルト) 今年度もよろしくお願い致します! #新しいプロフィール画像
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大谷かおる
3 months
福岡伸一『芸術と科学のあいだ』(木楽舎)。  芸術と科学の間に共通して存在するものは、この世界の繊細さとその均衡の妙に驚き、そこに美しさを感じるセンスとのこと。確かに物理や数学など科学には美を求めるセンスが重要。 改めて文系理系に分かれる日本の教育制度が問題であることが分かる。
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大谷かおる
3 months
長濱利廣『日本病 なぜ給料と物価は安いままなのか』講談社現代新書。 日本で給料が上がらない理由の一つは、労働分配率(付加価値額に占める人件費の割合)が低く、労働者の流動性も低い点にあり、インフレ率から考えてさらなる財政出動が必要と訴える。 150pで手軽に日本経済の現状がつかめる。
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大谷かおる
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広島市現代美術館「遠距離現在 Universal/Remote」展覧会へ。 20世紀以降に世界を覆い尽くし、パンデミックによって一層その姿を明確にした資本と情報が世界規模で移動する状況を踏まえた作品群。 世界を表現し、社会に問いかける現代美術の力を体感できる素晴らしい展覧会でした。
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大谷かおる
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ペルセウス座流星群のついでに天体観測へ(スマホで撮影すると昼間のようですが真っ暗です)。 人も車も通らない高原なので、地面に寝そべって夜空を観ることができる。 海にも近いこの地域は普段から星が砂のように細かく空を埋め、流れ星もいつでも見える。おかげでプラネタリウムに感動できない…
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大谷かおる
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松戸清裕『ソ連史』ちくま新書。 ソ連史の専門家による概説書。今年は革命家レーニンの死から百年、今のロシアを考える上でもソ連史は注目すべき分野。 筆者は資本主義諸国が社会主義の要素を取り込み福祉国家化したように、ソ連という強力な「対抗文明」の歴史から学ぶことは多いという。 #映像の世紀
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大谷かおる
25 days
広島県立美術館「金曜ロードショーとジブリ展」へ。 1986年の「風の谷のナウシカ」放映以降、金曜ロードショーでジブリと出会った人も多いはず。 「君たちどう生きるか」まで、歴代のジブリ作品が大集結した充実した展示内容で、写真スポットやグッズも豊富。 日時予約制だけあって大盛況でした。
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大谷かおる
4 months
河野哲也『問う方法・考える方法 「探究型の学習」のために』ちくまプリマー新書。 探究活動の意義から文献の探し方やプレゼンの方法まで、アカデミックの作法の基本の基をまとめた中高生向けの一冊。 「低学歴社会」日本において博士号取得者を教育現場に取り入れるべきという提案はまさにその通り。
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大谷かおる
2 months
『世界』岩波書店、8月号。 特集以外の記事も重要な論考が多い。 青木理「鹿児島県警 腐敗と介入」では警察権力の介入に対してメディアがもっと大きな反応を示すべきだと警告している。 上脇博之「自民党の裏金体質は変わらない」を読むと今回の法改正でもなお「抜け道」の懸念があることが分かる。
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大谷かおる
4 months
塚田薫『日本国憲法を口語訳してみたら』幻冬社。 第98条 この憲法は日本で一番偉いルールだから、それに逆らうようなことを国がしたら、全部無視していいよ。 今日は憲法記念日。国の骨格であり、私たちの権利を保障する憲法。その全文を口語で表現した一冊。 憲法とは何か説明できなければ一読を。
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大谷かおる
4 months
小川幸司『世界史とはなにか シリーズ歴史総合を学ぶ③』岩波新書。 「いのち」を主題とした授業実践をする現役高校教師であり、『岩波講座 世界歴史』編集委員として第一巻総論も執筆した日本の歴史教育の第一人者による歴史教育論。 教育関係者だけでなく歴史を学ぶ意義を考えたい方は必読の一冊。
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大谷かおる
6 months
箱田徹『ミシェル・フーコー』講談社現代新書。 私達はいつの間にか「時間を守る」ことが大切と考えそう振舞う。 近代社会では学校や軍隊、工場などを通じて国民は特定の思考行動様式を内面化する。 権力は「上から」命じる力というより、個人が「自発的」に社会に適合的に振舞うよう仕向ける仕組み。
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大谷かおる
3 months
『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』2019年。 自然に分解されず「永遠の化学物質」とも呼ばれ健康リスクも指摘されるPFASの全国調査が開始。 同様の汚染物質で健康被害を生じさせたデュポン社と、約20年間司法の場で争っている実在の弁護士が主人公の映画。水質汚染に関心がある方は鑑賞を。
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大谷かおる
3 months
『世界』7月号、岩波書店。 溝渕正季「中東を揺るがす「影の戦争」」はイスラエル・イラン・アメリカの関係史を明快に整理。現在のガザ情勢の背景や国際関係がよく分かる。 大方潤一郎・佐々木実「神宮外苑再開発とスポーツ利権を問う」は東京都知事選挙でも間違いなく争点となる論点についての対談。
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大谷かおる
3 months
室井康成『柳田国男の民俗学構想』森話社。 なぜ私たちは選挙で買収されるのか? 「懐かしい」「牧歌的」といったイメージの民俗学。しかし日本民俗学の父・柳田は、前近代的な「民俗」を克服すべき対象と捉え、因習にとらわれず自律的に判断できる「よき選挙民」となるための学問として構想した。
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3 months
斎藤幸平『人新世の「資本論」』集英社新書。 現在NHKアカデミアにも出演中の経済思想家で「なぜ今更マルクス?」という声に応える。 『資本論』に含まれていないマルクスの遺稿を研究し、そこには現在人類が直面する環境問題について私たちが参照すべき先見的な視点が含まれていることを示した一冊。
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大谷かおる
4 months
渡邉格『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」タルマーリー発、新しい働き方と暮らし』(講談社)。 菌は全てを腐らせ、土に還し循環を手伝う。パン屋も同じ。経営理念は利益を出さず、地域で食とお金を循環させる。 グローバリゼーションよりも広い世界が、身近なミクロの菌の世界に深く広がっている。
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大谷かおる
4 months
木下斉『まちづくり幻想 地域再生はなぜこれほど失敗するのか』SB新書。 地方創生の大合唱の中、まちづくりを担う行政が計画などを外部コンサル任せにすることを強く戒めており、失敗しながらも自分たちで考える内部人材の育成の重要性を指摘。 仕事に物足りなさを感じている行政職員の方は一読を。
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大谷かおる
6 months
影山知明『ゆっくり、いそげ カフェからはじめる人を手段化しない経済』大和書房。 食べログ全国1位のカフェを作った著者は、従業員やお客、自然環境を「テイク(利用)する」関係ではなく「ギブ(支援)する」関係にしようと提案する。 一生懸命、時間をかける。ゆっくり、いそぐのは、読書も同じ。
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大谷かおる
4 months
半澤朝彦「21世紀の国連へ」『岩波講座 世界歴史』24巻。 ウクライナやパレスチナの現状から「国連は役に立たない」と囁かれる一方で、リベラルな国際秩序のソフトパワーはなお強力。 現状変更勢力がこれを覆し別の価値体系を示すことは考えにくく、強行すれば最終的に「枢軸諸国の二の舞」とみる。
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大谷かおる
5 months
小国喜弘『戦後教育史 貧困・校内暴力・いじめから、不登校・発達障害問題まで』中公新書。 給特法が話題ですが、学校が追い込まれた社会的背景も理解できる良書。70年代以降、教員への管理強化のため行政研修が強化されたが、義務的な官制研修では自ら学ぶ自立した質の高い教師は生まれないだろう。
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5 months
佐藤明彦『教育DXと変わり始めた学校』岩波書店。 経産省の強力なバックアップで進展する教育のデジタル化を肯定的に解説。 知識や技能を一方的に授ける20世紀型の教育が限界を迎え、子どもが主体的に学ぶ力が重要だという点は当然として、「どこで役立つか分からない知」が軽視されないことを祈る。
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大谷かおる
5 months
岸本聡子『地域主権という希望』大月書店。 筆者は欧州で広がっている地域主権主義(ミュニシパリズム)を実践すべく杉並区長選挙に挑戦し僅差で当選。この思想は人が尊厳ある暮らしをするための公共財(コモン)を民主的に管理することを目指す。「地方自治は民主主義の学校」といわれる所以が分かる
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大谷かおる
1 month
木畑洋一「多面的な危機と地球社会」『岩波講座 世界歴史』。 21世紀の政治はどうなるのか? 異なる立場の人々が対立を調整して合意に達するのが本来の民主主義の理念のはずだが、アメリカ大統領選に見られるように、対話ではなく分断が深まり、政治が「勝ち負け」の争いになっている点は大きな問題。
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大谷かおる
4 months
石川真澄・山口二郎『戦後政治史』岩波新書。 昭和の日の今日、3つの衆議院補欠選挙が行われ自民全敗、野党第一党の立憲民主党が全勝という結果に。今後を見通す上で歴史が有益。本書は敗戦から自民党の結党、派閥政治、政権交代、そして3.11からコロナまでの日本政治史が簡潔な叙述でまとまっている。
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大谷かおる
4 months
石井満編『新渡戸稲造随筆集』角川文庫。 7月に5000円札の肖像が津田梅子に代わりますが、以前は新渡戸稲造(1862〜1933年)。 日本を世界に知らしめた『武士道』の著者で、自由で先進的な思想から東京女子大学初代学長も務めた。 「太平洋の架け橋となる」との決意で国際連盟事務次長としても活躍。
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大谷かおる
8 months
リニューアル版『世界』(2月号、岩波書店)が良い。上脇博之「安倍派パーティー券事件の深層」、清水知子「AIをクィアする」、小熊英二「戦後日本の「リベラル」と平和主義」、鳥羽和久「受験後遺症の大人たちが子どもを追い詰める」など。「いま」を知るための論考が盛り沢山。大学生に勧めたい。
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6 months
サティシュ・クマール『エレガント・シンプリシティ』NHK出版。 著名な思想家であるサティシュが英国に創設した「シューマッハーカレッジ」では、世界中から集まった人々が共同生活を送り生きるための知識を学ぶ。真にシンプルな生活は禁欲的ではなく、自由で物質的にも精神的にも豊かなものだという。
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大谷かおる
7 months
藤永茂『ロバート・オッペンハイマー 愚者としての科学者』(ちくま学芸文庫)。「戦争を終わらせた英雄」か「悪魔の兵器の開発者」か。筆者は彼の責任は重大としつつ、原爆を生んだのは「人間」であり、我々はその犯罪を彼に押しつけ、自分は無罪と安心しているのだと指摘する。文系でも読める良書。
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大谷かおる
6 months
駒込武編『「私物化」される国公立大学』岩波書店。 大学は批判的精神のもと創造的な探究を行う場。しかし2004年の国公立大学法人化以降、国による財政的支配や学長権限が強化され、政府が文系を切り捨て大学を経済成長の道具とみなす傾向を指摘。 教育の質は数十年後の社会に明瞭に現れるでしょう…。
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大谷かおる
5 months
満蒙開拓平和記念館(長野県阿智村)へ。 開拓団の歴史は戦争の教訓が凝縮されている。 国策に翻弄される国民。 貧困から国家に協力する地域の指導者層。 国民を見捨てる軍隊。 補償を行わず責任も取らない国家。 戦後まで続く残留孤児の問題。 こうした記憶を忘却しないためにも博物館の存在は重要。
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6 months
畑中章宏『宮本常一 歴史は庶民がつくる』講談社現代新書。 民俗学は文字以外の伝承や民具などを研究し庶民の生活を明らかにするが、宮本の民俗学は庶民に対する見方を多様にした。フィールドワークでは私見が入る若者よりも祖先から受け継いだ知識をもつ「よい老人」に話を聞くことが肝要とのこと。
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大谷かおる
6 months
清水幾太郎『本はどう読む』講談社現代新書。 出版50年を過ぎてなお版を重ねる読書論。曰く、本は蕎麦を食べるように一気に読むことで後から理解出来ることが多い。本を読んで「なるほど」で終わるのは浅い理解で、それを自分の言葉で表現する努力が重要。「受容ではなく、表現が真実の理解への道」。
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6 months
小野寺拓也・田野大輔『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』岩波書店。 紀伊國屋じんぶん大賞2024受賞作。ナチスの政策の不正や搾取、排除の側面(常識)を改めて指摘。 「岩波ブックレット」シリーズは100頁ほどで研究の蓄積を踏まえた知見を学べるので高校生〜大人まで入門書としてオススメ。
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大谷かおる
6 months
創立50周年の国立民族学博物館。オセアニアから南米、アイヌまで世界中から集められた資料数は世界一。祭祀用��仮面や衣装などは一見「変わってるな…」と個性や多様性を感じさせる一方、各地域の資料を見るにつれ人類の文化の共通点の方が大きいかも?と不思議な感覚になる。万博行くならこちらも必見
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大谷かおる
4 months
『世界』6月号、岩波書店。 特集2「SNSと子どもたち」に注目。ユーザーの「注目」を惹きつけることで広告収入を得る「アテンション・エコノミー」が拡大し、特に子どもが影響を受けている。公立中学教諭の江澤隆輔「手のひらのテーマパーク」では、スマホを買い与える家庭の責任について議論を提起。
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大谷かおる
4 months
工藤勇一『校長の力』中公新書ラクレ。 麹町中学校校長として、宿題廃止・定期考査廃止・制服自由化・固定担任生廃止などを実現。校長の大きな権限としてカリキュラム編成権に言及している。 人権や民主主義を尊重し、生徒の自主性を尊重する教育方針には深く共感。内容は薄いため2時間ほどで読める。
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大谷かおる
6 months
『世界』4月号、岩波書店。 特集2は全て必見。清水奈名子・吉田千亜「なかったことにされてきた声から 災害・避難・ジェンダー」では、災害で特に浮き彫りとなるケアの倫理に注目を促すとともに、国内人権機関の設置の必要性を説く。人権について社会の理解を深めるためにも特に教育関係者は一読を。
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大谷かおる
6 months
吉野源三郎『君たちはどう生きるか』岩波書店。 戦後を代表する知識人による物語。宮崎駿監督によるスタジオジブリ映画のモチーフにもなった。「よく生きる」ために「私」に何ができるか逡巡する主人公。アカデミー賞受賞を機に、映画はもちろん、この原作を是非とも現代の青少年に読んでほしい。
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大谷かおる
4 months
『インターステラー』クリストファー・ノーラン監督。 映画『オッペンハイマー』が大ヒットですが、ノーラン作品では『インターステラー』も必見。 現代物理学に基づいて表現したブラックホールの映像美は圧巻。「重力」による時間の遅れや異次元空間などを扱う超大作SF映画。
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大谷かおる
6 months
岡野八代『ケアの倫理 フェミニズムの政治思想』岩波新書。 ケアの倫理は「ひとは誰もが例外なくケアによって生きることができる脆弱な存在」という事実を出発点に、ケアする人もされる人も排除されない社会を構想する視点を提示する。 掛け値なしに、現代社会を考える上で最重要の視点を示した一冊。
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6 months
猪瀬浩平『ボランティアってなんだっけ?』岩波書店。 ボランティアは国家や市場の失敗をフォローしてしまい、都合よく使われる側面がある。しかし助けがなければ被災者や障がい者などはより困る。 ならば、ボランティアを通じて他者と交わりながらシステムを掘り崩していくことが大切だと著者は言う。
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大谷かおる
6 days
本日は防災の日(約10万人の犠牲者を出した1923年の関東大震災発生日)。 映画『福田村事件』は100年前の災害の混乱の中で、群集心理や差別思想が絡み合い現実に発生した民衆暴力を描く。 こんな不条理を繰り返さないために記憶の継承が不可欠。 災害行政関係者も必見。
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大谷かおる
6 months
小泉悠『現代ロシアの軍事戦略』ちくま新書。 ウクライナ戦争から2年。開戦後の「それから」を解説する本は多いが本書は開戦1年前の出版のため「それまで」のロシア分析が読める。ロシアが体制変革で苦境から脱するか、西側との対立継続で衰退するかの分岐点と考えられていたが、現時点で最悪の結果に
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大谷かおる
7 months
『万物の黎明』光文社。購入から3ヶ月、700頁を超える鈍器本、ついに読了(もちろん「自立」する)。扱う時空の広さはまさに「宇宙的書物」。『サピエンス全史』などのポップ人類史を批判し、人類は創造的かつ多様であり、そして今も私たちの社会は変革可能だと、考古学と人類学の知見から力強く論証。
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大谷かおる
7 months
『世界』(岩波書店)3月号は今知りたい(知るべき)事柄が満載の充実した内容。田中洋子・和田靜香「低賃金社会はなぜ続くのか」、古沢希代子「フェミニスト・エコロジカル経済学の視点」からは現代社会の様々な課題が女性の犠牲と結びついていることが分かる。自民党裏金問題も歴史的視座から分析。
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